鳥取に行ってきた(その2)

せっかく鳥取に来たので、2日めは境港の水木しげる記念館に行ってきた。
実は初鳥取なので、水木しげる記念館も水木ロードも初めてなのだ。
米子から境港へ行く電車がすでに妖怪列車。
砂かけ婆が正面にでかく描かれていて、側面には水木妖怪の数々、シートにもねずみ男や鬼太郎が。
あとで知ったんだけど、妖怪列車は6種類あるらしいんだけど、行きも帰りも砂かけ婆でした。
で、米子から各駅に妖怪名が振られていて、いちいち車内アナウンスで教えてくれる。

境港に着くと、もう水木しげる一色で、駅からすぐ水木ロードが始まっていて、水木妖怪のブロンズ像があちこちに置いてある。
街灯は目玉おやじ風。
店も水木グッズを扱った店が多い。
看板は水木キャラのオンパレード。
ときどき水木キャラの着ぐるみを着た人が通る。

しばらく歩くと水木しげる記念館が左手に見えてくる。
二階建てで和風の外装の建物である。
まず二階に上がるのだが、その階段のところに水木先生直筆の鬼太郎やねずみ男の壁画がある。
即興で落書きしたものだそうだ。
二階では水木先生の漫画を色々紹介。
けっこうマニアックなセレクトになっている。
一階に降りると水木先生の美麗なカラー原画の展示に続き「ねぼけ人生の間」になっていて、水木先生のこれまでが貴重な写真やその当時の絵を交えて紹介されている。
NHKの「ゲゲゲの女房」で向井理が水木先生をやっていて、さすがにそれは違うだろう、と思ったのだけど、20代30代の頃の水木先生はやせておられてイケメン。
向井理で全然違和感ない。

その後の「のんのんばばあとオレ」のコーナーからは妖怪の模型がいろいろ展示されていて、ちょっとしたお化け屋敷的な感じである。
なかなかよく出来ている。
楽しい。
子供の頃に来たかった。
日本の子どもはみんな見に来るべき。

「冒険家水木しげる」のコーナーでは、ニューギニアの仮面など水木先生の貴重なコレクションが展示されていて、民博のようだ。
水木先生は本当に世界中を旅しておられるのだ。

欲を言えば水木先生の原画がもっと見られると嬉しかったのだが、十分楽しかった。
今回は都合で午前中しかいられなかったのだが、次は一日かけて回りたい。
ともあれ、充実した初鳥取でした。
スポンサーサイト

鳥取に行ってきた(その1)

土日は鳥取に行ってきた。
米子で行われたまんが王国とっとりの第3回国際マンガコンテスト受賞式というのに出席したのである。
http://manga-tottori.jp
実はこのコンテストの第1回から審査員をさせていただいているのだ。
このコンテストは本当に国際的で、ロシアや中国などからも応募があって、しかもレベルが高い。
最初に審査員をした時はびっくりした。
それと年齢の幅が広くて、小学生から70代の方まで実にいろんな人が応募している。
例年は11月の頭に授賞式があって、木野祭と重なるので出席できなかったのだ。
今年も卒展直前という微妙な時期だったけど、そっちは金曜までに準備出来ると見込んで初参加。

平井伸治鳥取県知事のお茶目な挨拶に始まり、各賞の表彰、審査員を代表してガイナックスの赤井孝美さんの総評、受賞者を代表して最優秀賞「還暦同窓会」のナガミネワタルさんの挨拶と続く。
最後はみんなで記念撮影。
和やかな会でした。

でそれに引き続き、「第2回バオーンの夕べ in まんが王国とっとり」。
http://comic-sp.kodansha.co.jp/mizuki/announce/
今年2月から刊行が始まった水木しげる漫画大全集第2期を記念して、京極夏彦先生や編集スタッフ、水木しげる先生の長女で水木しげるプロダクション代表の原口尚子さんたちがトークショーを繰り広げる。
制作の裏話や水木先生ゆかりの地を京極さんたちが訪ねた報告など興味深い話を聞く。
今までの復刻本ではあるページが上下逆に印刷されていたことが分かった、とか、左右逆に印刷されていて、見開き一枚の絵が分断されていた、とか、徹底したリサーチに基づく発見が数々あるのだ。
今回の漫画大全集は本当に気合が入っていることが分かる。
ていうか京極先生、原稿のデジタル修復とか大変な作業をされていて、本業の時間あるのか。
ちなみに第2期、僕はすでに予約済みです。
まだ第1期の分も全部は読み切れてないんだけど。

晩は国際マンガコンテストの懇親会。
普段接している学生とはまた全然違う。
年輩の受賞者のマンガに対する熱い思いを聞いてこちらも身の引き締まる思いをしたり、ロシアやシンガポールの若い才能に新鮮な驚きを感じたり。
マンガという文化の広がりを改めて感じた会だった。
来てよかったよ、鳥取。

「進撃の巨人」11巻

「進撃の巨人」11巻読みました。
「せー・・・」についてはいろいろな人がいろいろ憶測をめぐらしていると思うけど、僕も一つ憶測を。


「せー」は「星」

に1000円。

「進撃の巨人」と「b」(その3)

これだけ類似点があると、諫山創さんが「b」を読んでいて、なおかつそれを意識しなかった、という可能性は低いと思われる。
作者というのは先行作品に対して敏感になるものだし、読んでいれば意識せざるを得ない。
意識の方向性に二つある。
先行作品との設定の重複をなるべく避ける方向と、むしろ先行作品の設定を積極的に取り入れる方向である。
これは先行作品に対する作者の評価とも関係がある。
仮に諫山さんが「b」を読んでいたとすれば、前者のケースは考えにくい。
だとすると、「b」は「進撃の巨人」のルーツの一つだった可能性が高い。
あるいは、想像をたくましくすれば、「進撃の巨人」が「b」の遠い未来における続編であったとしても、10巻までを読んだ範囲では大きく矛盾しない。
もちろん「b」と「進撃の巨人」の設定には大きな違いもあるのだが(例えば「b」ではうなじに特別な意味はない)、巨匠の他の作品のリメイクや映画化でもそれくらいの設定の変更は行われているのである。(巨匠の「a」のベテラン作家によるリメイクや「d」の映画化などを考えればそれは分かるだろう。)

こう言ったからといって、諫山さんのオリジナリティーを貶めることには決してならないだろう。
「b」の設定の持つポテンシャルを最大限に引き出して、全く違う世界を作り出していると言えるからだ。
最初に書いたように、無から生まれる作品はないのである。

では、諫山さんが「b」を読んでいない可能性はあるだろうか。
それはあるだろうと思う。
巨匠が亡くなった年に諫山さんはまだ2歳である。
「b」は僕の世代なら誰でも知っている作品だが、諫山さんの世代であればマンガ家だからといって必ず読んでいるはず、とまでは言えない作品だ。
読んでいないのに、設定が似通うというのはありえない話ではない。
巨匠自身がアイディアがかぶった経験について苦々しく語っている文章がある。
そしてメインのアイディアが似るときには不思議とサブのアイディアも似るものなのである。
僕自身の少ない経験でもそういうことはある。
しかし、だとすればそれはそれで、ほぼ半世紀を経たマンガのDNAの隔世遺伝は十分興味深いものではないだろうか。

「進撃の巨人」と「b」(その2)

「進撃の巨人」の巨人と「b」の巨人には、人間が巨人化する、というアイディアに加え、少なくとも二つ大きな共通点がある。

一つは巨人化のサイズに何段階かあるということだ。
「b」では巨人化薬の量によって、等身大から50倍(およそ100メートル)まで5段階の大きさをとることが出来るという設定になっている。
実際、巨人化した主人公は様々な大きさで描かれている。
これは「進撃の巨人」の3メートル級とか14メートル級とか超大型巨人(60メートルくらい)とかいう区分に近い。

もう一つは、「b」の、巨人化と同時に身体が鋼鉄のように硬くなる、という設定である。
巨人化薬を少量注射すると身体の大きさは変らず、硬化だけが起こる。
巨人化よりも硬化は本質的な特徴なのである。
一方、「進撃の巨人」では7巻以降に巨人の硬化ということがクローズアップされ、それがさらに世界の大きな謎と関わってくる。
硬化しても目だけは弱いらしく、「進撃の巨人」7巻では硬化能力を持つ女型の巨人の目を狙う戦術が取られるが、同じ戦術が全集版「b」2巻41ページで主人公に対して取られている。

他にも「b」と「進撃の巨人」にはいくつかの興味深い共通点がある。
「b」は、まずナチス政権下のドイツから話が始まり、そのためドイツ人が何人も出てくる。
「進撃の巨人」もエレン・イェーガーを始めキャラクターの多くはドイツ系の名前を持っている。

「b」の主人公の母親は中国人とドイツ人の混血だが、これは「進撃の巨人」のミカサ・アッカーマンの設定と類似している。

また「進撃の巨人」のアクションの要になっている「立体機動」だが、これも「b」に同様のアクションが出てくる。
全集版2巻第10章には人工のくもの糸を使って空中を自在に移動するくも人間が登場する。
「b」の連載が始まったのは1965年で、その3年前の1962年にはマーヴェル社でスパイダーマンがデビューしている。
アメリカでのスパイダーマン人気を知った巨匠がいち早くその設定を自作に取り入れた、というのはありそうなことである。
一方「進撃の巨人」の立体機動にサム・ライミの「スパイダーマン」3部作や新しい「アメージング・スパイダーマン」のアクションが影響していないというのは考えにくい。
「b」と「進撃の巨人」に直接の関係がないとしても、両者の「立体機動」のルーツは同じである可能性があるのである。

最後にテーマに関してだが、「進撃の巨人」では「外の世界を探検する」ということに大きな意味が与えられている。
「b」での巨人は元々は軍事目的だったのだが、主人公はそれを宇宙開発に役立てようと考えているのである。
テーマにおいても一定の類似が見られると言っていい。
プロフィール

おがわさとし

Author:おがわさとし
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR