B級映画魂

またまた映画の話である。

友人Yと「スパイダーマン2」を観に行く。
なんというか映像は凝りに凝っているし、役者もよいし、金もかかっているのだが、それでもこれはまさにB級映画そのものである。
今回は主人公の悩みが描写されていることが話題になっていたようだけど、「悩めるヒーロー」というのは昔っからの「スパイダーマン」の売りである。
その心理描写にしたってハリウッド映画の普通のレベルで、別に格段優れているわけではない。
そして今回の悪役の設定のむちゃくちゃ加減はなかなかに凄まじい。
たぶん原作を踏襲しているのだろうけど、核融合装置を触手状にして人工知能を与えて背中に移植する、という理由がさっぱり分からない。
だいたい核融合というのは鉄より原子番号が若い元素じゃないとエネルギーにならないのだけど、映画の中ではばんばん金属を吸い込んでいて、あれではエネルギーを消費してもエネルギーを生み出すことはできないんじゃないか。
しかもオープンスペースでそんなことやったら回りの人間生きておれんだろう。(回りをいっぱい人が囲んでいるとこで実験してみせるのである。)
そもそも核融合というのは水素とかそういう小さい元素を使うわけで、水からでも莫大なエネルギーを取り出せる、というのがミソなのである。
それを考えればあのラストはクレージーである。
よしんば核融合の燃料にならないにしても蒸気爆発でたいへんなことになることうけあいである。
(ちょっとネタばれだが、さして鑑賞の障害にならないと思うのでご勘弁。)

といってけなしているのではないのだ。
そのばかばかしさ加減がすごいと思うのである。
サム・ライミといえばオタク系B級映画監督としてデビューしながら、「シンプル・プラン」で大人の映画も作れることを証明してみせた人である。
その人が一流になってなお、こういうむちゃくちゃな映画を生き生きと作っているのが素晴らしい。
サム・ライミにはいつまでもオタクのB級映画監督でいてほしい。
カンヌの審査員になんかならないでいいからさ。
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メタノンフィクションと韓国ホラー

今日も映画二本観る。
「アメリカン・スプレンダー」と「箪笥」の二本。

「アメリカン・スプレンダー」はアメリカン・コミックの映画化である。
アメコミといってもスパイダーマンとかバットマンとかワンダーウーマンとかハルクとかシルバーサーファーとかそういうのではなく、ハービー・ピーカーという人物の日常を描いたアングラコミックである。
もともとハービー・ピーカーが自分の日常を脚本(というよりネーム)にして、友人だったロバート・クラム(日本で言えばつげ義春的な位置付けのアングラコミックの巨匠)に見せたところ、おもしろいじゃない、ということでマンガにするようになった、ということらしい。
それが描き手を変えつつ25年以上も続いているというのだから驚く。
映画はそのマンガを原作にしているのだが、マンガの書き手兼主人公を主人公にしているので当然物語はそのマンガそのものを軸にして展開していく。
たとえば「アメリカン・スプレンダー」が演劇化されたことがあって、そのシーンはハービー役の役者が劇の中でハービーの役を演じている役者を観ているという仕掛け。
そのナレーションをハービー・ピーカー本人がしていて、しかも時々画面にも出てくるので、なんというか、何重にも入れ子構造になった映画なのだ。
フィクションそのものをモチーフにした作品をメタフィクションというが、これはメタフィクションではない。
元のマンガがノンフィクションだからだ。
それを現在のハービー自身がコメントしたりしているわけだから、これはメタノンフィクションという新しいジャンルの映画なんじゃないかと思う。

もう一本の「箪笥」は今流行りの韓国ホラー。
映像が美しく女の子が可愛く、しかも怖い。
怖いのだが、観終わった後かなり腑に落ちない点がいっぱい残る映画なのだ。
その辺が韓国でも、あそこは結局どういう意味なのか、と議論しあって受けたらしい。
しかしドリームワークスが映画化権を買ったそうだが、今のアメリカ人はあれでは納得しないのではないか。
たぶんだいぶ分かりやすい話になるんだと思う。
「2001年宇宙の旅」の頃ならそういう分かりにくさもありえたかもしれないけどね。

昔観た映画

あまり記憶力のよい方ではないので、昔観た映画のストーリーが全然思い出せなかったり、なんとなく場面はいくつか覚えているんだけどタイトルが思い出せなかったり、ということはしょっちゅうある。
今日も、何の拍子でか、友人の遺灰を約束した場所でまくために、男二人が旅するロードムービーがあったなあ、と思い出した。
こういうときネットは便利だ。
「ロードムービー 遺灰」で検索をかけたらすぐ見つかった。
「蜃気楼ハイウェイ」という映画である。
1992年の映画だから10年ちょっと前の映画だ。
出演者の一人にジョン・キューザックがいる。
そういえばジョン・キューザックが海賊みたいな眼帯をつけた変な役をやっていた映画があったけど、これだったか。
監督は「シド・アンド・ナンシー」(傑作)の脚本家で、それで興味を持って観にいったんだと思う。
今は亡き朝日会館で観たような気もするが、それも曖昧だ。

そんな風にして何千本かの映画が、それぞれの程度に曖昧なまま自分の頭の中に詰まっているのだと思うと不思議な気になる。
たぶんこの映画を観なくても僕の人生は全く変わらなかったんじゃないかと思うけど、案外そうでもないんだろうか。
それはともかく、機会があればもう一回見たいような気もしてきた。「蜃気楼ハイウェイ」。
レンタル屋にあるかな。

ところで主演の男優の名前は、ジョン・ドゥーである。
「セブン」の殺人鬼と同じ名前だ。
「セブン」がヒットした頃はさぞかし迷惑しただろうなあ、とちょっと気の毒になった。

追記:"John Doe"というのは辞書によると、「訴訟当事者の本名が不明の男性に用いる仮名」だそうです。

チェコ&スロヴァキア漬け

チェコの短編アニメ集2プログラムとスロヴァキアのマルティン・シュリーク監督の映画2本を続けて観る。
チェコといえば人形アニメの本場である。
今回観たのではティールロヴァーの「青いエプロン」と「結んだハンカチ」が面白かった。
身近なものが動き出してシュールな映像を繰り広げる快感。
シュリークは「ガーデン」と「私の好きなモノすべて」の二本。
特に「ガーデン」がよかった。
廃園の中で繰り広げられる奇妙でおかしくてどこかせつない物語。
シュリークは「家族」をテーマにした作品が多いのだけど、距離感が微妙で、ちょっと冷めた視点で、どこか壊れた家族を描いている。
「私の好きなモノすべて」はそれが一番ストレートに出た作品。
今回観たマルティン・シュリーク作品では3作の中では「不思議の世界絵図」がフェイヴァリット。

水と油

大阪のフェスティバルホールで「水と油」という舞台を観る。
男三人女一人の4人による一種のパントマイム、でいいのかな?
サイレントの喜劇映画だとかマルクス兄弟の映画を思わせるスラップスティックコメディーをものすごく現代的に洗練させた、という感じの舞台。
たいへん面白かった。
同居人と友人はむ君がいっしょで、ジュンク堂地下の蕎麦屋でおいしい蕎麦を食べる。

マルティン・シュリーク初体験

スロヴァキアの映画監督マルティン・シュリークの「不思議の世界絵図」を観る。
なかなかに不思議な映画なのである。
感化院かなにかを追い出された少女が母親を訪ねにいく、という話で、一種のロードムーヴィーでもある。
旅の先々でいろいろな人と出会ったり事件に巻き込まれたりするのだが、これがなんというか独特に現実離れしていて、一筋縄ではいかない。
それぞれのエピソードには何か象徴的な意味があるような気もするけど、では何の象徴かというとよく分からない。
どちらかというと「不思議の国のアリス」の印象に近い。
しかし「不思議の国のアリス」は行って帰ってくる話だが、この映画はそういう構造になっていない。
母親の元に戻るのが目的ではなく、どちらかというと世界の果てまで旅をする映画、という印象である。
主人公の少女は男の子みたいな美少女でたいへん好印象。
残りの登場人物の多くはくたびれた感じのおじさん、おばさんで、それぞれに変わっている。
映像は実に美しく、なんというか東欧的である。
近いうちにあと二本この監督のを観る予定。

仕事モード

何日か遊び呆けていたので、すっかり頭が遊びモードになっていたのだが、今日は朝から会議で久しぶりに仕事モードになった。
まあ、見当がつくと思うけれど、僕は強制されなければ仕事モードにならない。
かなり追いつめられないと仕事をしようという気にならない。
会議も最初のうちは眠気との闘いだったのだが、発言を求められてなんとかやっと徐々に仕事モードに切り替わった。
で、夕方まで真面目に働く。
久しぶりに仕事をしたので帰ったらくたくたになった。
基本的に働く仕様には出来てないんだと思う。
自慢気に言うことではないが。

円月殺法!

B'zの稲葉さんのソロライブに行く同居人を置いて一人京都へ。
京都に着くなり、あのむっとするような蒸し暑さ。
なんというか空気がぬるぬるしている感じなのだ。

帰って早々みなみ会館へ市川雷蔵特集を観に行く。
「眠狂四郎勝負」と「眠狂四郎炎情剣」の二本。
いやあかっこいい。雷蔵最高。
今年の夏は勝新の座頭市の代表作二本と雷蔵の眠狂四郎の代表作二本が劇場で観れたので、わりと満足。

浅草観光

同居人と浅草巡りをした。
雷門から浅草寺に。
浅草寺は「あさくさでら」ではなく「せんそうじ」である。
知らんかった。
その後<a href="http://www.hanayashiki.net/opening.html" target="_blank">花やしき</a>に行って、30年ぶりくらいにジェットコースターというものに乗る。(ここのは正確にはローラーコースターというらしい。)
昭和28年にできたという日本最古のコースターである。
最高時速42キロということでこれくらいなら大丈夫だろうと思って乗ったが、死にそうな思いをした。
危険極まりない乗り物である。
よくみんなぐるっと回る奴とか落ちるやつとか乗るなあ。
僕には昭和28年レベルが限界であった。
あと吉永小百合のブロマイドが売ってたので買った。

そのあと隅田川に出て水上バスというものに乗る。
完全にお上りさんである。
船上で飲むビールが実に上手い。
この日は都心で39.5度という観測史上最高温度を記録した日だったそうだが、湿度が低いせいか、さほど不快に感じなかった。
暑さそのものには強いのだ。
いちおう夏生まれだしね。

東京レズビアン&ゲイ映画祭

第13回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭に同居人と出かけた。
4回券を買ってみっちり観る。
最初のが短編映画集、二本目が韓国の映画で「ロード・ムービー」、三本目が日本の「百合祭」、最後がアイルランド映画「ゴールドフィッシュ・メモリー」。
どれも面白かったが、シルバーセックスをテーマにした「百合祭」と、ヘテロ、ゲイ、レズビアンの関係が入り混じるコメディ「ゴールドフィッシュ・メモリー」が秀逸。韓国のゲイ映画「ロードムービー」も切なくてよかったんだけど、前半だいぶ寝てしまったので、京都に来たらもう一回観ようと思う。
映画自体も面白かったんだけど、会場の雰囲気もよく、楽しかった。
来年の映画祭も来れたら来ようと思う。

三本目と四本目の間の時間に、会場のロビーで作家の<a href="http://homepage3.nifty.com/morinatsu/" target="_blank">森奈津子さん</a>と会って、慌しくお土産を渡したりもらったり森さんの連れの編集の人を紹介してもらったり僕の同居人を森さんに紹介したり森さんの近著の「姫百合たちの放課後」と「からくりアンモラル」にサインをもらったりした。
森さん、あいかわらず若くお美しい。同居人めろめろ。
上記ニ著も大変素晴らしい本なのでみなさん買うように。
「姫百合」の方が百合コメディ、「からくりアンモラル」はせつない系の性愛SF集です。
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