アニメ・アニメ・アニメ

みなみ会館でアニメーション映画を3本続けて観る。

一本目は「ピンチクリフ・グランプリ」。
ノルウェーの国民的人形アニメーション映画。
30年ぶりの公開だそうで、前に公開されたときの広告は覚えている。
観るのは初めて。
すごく素朴で暖かい映画なのだけど、後半のレースシーンはかなりエキサイティング。
当時の吹き替え版で観たのだが、八奈見乗児さん、野沢雅子さん、滝口順平さん、大塚周夫さんと懐かしい顔ぶれでそちらも楽しめた。
「ウォレスとグルミット」が好きな人はこちらもぜひ!

二本目は「TOKYO LOOP」。
古川タクさん、久里洋二さん、田名網敬一さんらベテランの人からアニメーション初挑戦のしりあがり寿さん、しまおまほさんまで16アーティストが作った短編集。
こういう短編の実験アニメを久しぶりに観た。
やっぱりいいなあ、短編アニメ。
手法から何から全部違っていて個性が際立っている。
特に面白かったのは佐藤雅彦さん+植田美緒さんの「TOKYO STRUT」、清家美佳さんの「釣り草」、しりあがり寿さんの「イヌトホネ」、しまおみほさんの「tokyo girl」、山村浩二さんの「Fig.(無花果)」など。
短編アニメをもっと気軽に観られるようになるといいな。

三本目は「秒速5センチメートル」。
実は新海誠監督作品を観るのは初めて。
話題になった「ほしのこえ」も観ていない。
予告編からも予想されたとおり、過剰に叙情的でちょっとナルシスティック。
正直気恥ずかしいところもあるのだけど、けっこう楽しんで観た。
美術が素晴らしい。
背景がドラマを作っている。
山崎まさよしの「One more time, One more chance」が主題歌として使われているのだけどそれもぴったりはまっていた。
今時少女マンガでもないくらいピュアなお話なのだけど、こういう感性で映画を撮る人がいるのはいいことだ。
僕も中学生くらいのときにこれを観たかった。

そんなわけで今日はいろんな種類のアニメーションを観れてなかなか幸せでした。
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実相寺宇宙

みなみ会館でやっていた「ウルトラ無常〜空想・エロス・ミステリー〜実相寺昭雄追悼ナイト」を観にいく。
夜10時過ぎから朝7時過ぎまでのオールナイト企画。
上映されたのは「ウルトラマン」から「故郷は地球」「怪獣墓場」、「ウルトラセブン」から「狙われた町」「円盤が来た」、「怪奇大作戦」から「呪いの壷」「京都買います」、加えて劇場映画「歌麿 夢と知りせば」「D坂の殺人事件」。
計8本。
かなり思い入れたっぷりのプログラムで、客席もほぼ満席に近い入りだった。
だいたい同世代の男性中心。
だいたい同じ人種。

正直DVDで観れる特撮テレビ番組の方はそれほど期待していなかったのだけど、今回の上映は全てフィルム上映だったので、観る値打ちはあった。
「ウルトラマン」の頃は実相寺監督の作品ももう少しおとなしいように思っていたのだが、全然そんなことなかった。
構図もカメラワークも照明もすでに実相寺節炸裂だった。
「怪獣墓場」は子どもの頃観て悲しくて、号泣して両親を困らせた記憶がある。
今観ると笑えますが。
でもけっこうかっこいいカットが入ったりするんだよね、これが。
「怪奇大作戦」は京都もの二本。
京都で「京都買います」の上映をすることがRCS(みなみ会館の運営母体)代表の佐藤さんの夢だったらしい。 

「歌麿 夢と知りせば」は1977年の劇場映画でめったに観れないレアもの。
岸田森が喜多川歌麿を演じている。
キャストも豪華なのだけど、登場人物が多く次から次へ新しいエピソードが出てくるのだが、そのエピソードとエピソードのつながりが分かりにくい。
でもテーマは明確。
夢見るものの業とそれを弾圧しようとするものへの怒り。
岸田森と岸田今日子の競演が観れるのもお得感。

「D坂の殺人事件」は途中で昔一回観ていることに気がついた。
真田広之が贋作画家を、嶋田久作が明智小五郎を演じている。
劇中に出てくる明治の緊縛画家大江春泥の縛り絵を前田寿安さんが描いている。
前田寿安さんは緊縛画や官能劇画の大家。
僕はファンなのでうれしかった。

ゆれるとさくらん

少し前まで日本映画は男社会だったんじゃないかと思う。
もちろん女優は昔からいたし、女性スタッフも多かっただろうが、女性の映画監督というのはちょっと前までは珍しかった。
「萌の朱雀」の川瀬直美さんがとても新鮮に感じられた。
今日観た二本の映画はたまたま二本とも女性監督の作品だった。
時代が変わったのなら、それはいいことだと思う。

一作目は西川美和監督の「ゆれる」。
2006年度の主要映画賞を総なめにした映画だ。
兄/弟、都会/田舎、もてる/もてないという対立軸上の両極にいる二人の関係が一人の女性の死によってゆらいでいく。
とても繊細なこの映画を観ながら、なぜか僕はこの映画にどこかハードボイルドに通じるものがあるように感じた。
ハードボイルドにも詳しいわけではないが、この映画がゆれる複雑な感情を扱いながら、感情を分かりやすく説明することを避け、ただ登場人物の行動だけで描いていくストイックさにそういう印象を持ったのかもしれない。
香川照之とオダギリ・ジョーの二人の演技は見事だが、そのとき彼らが何を考えていたのか、というところは分かりやすく説明されていない。
しかしその手触りに非常にリアルなものがある。
キャスティングは見事だが、田口トモロヲが裁判官を演じているのには驚いた。
ばちかぶりの田口トモロヲが裁判官かあ。
隔世の感があるなあ。

二作目は蜷川実花監督の「さくらん」。
蜷川実花さんの写真は不勉強でよく知らないのだが、映画はすごい極彩色でそれだけでも圧倒される。
鈴木清順以外でこんな色彩を使いこなした映画を知らない。
蜷川実花さんは蜷川幸雄氏の娘だそうで、そんなこと言われたら本人はいやかもしれないけど、ケレン味は親譲りと言えそう。
原作は単行本になっている分しか読んでいないので、クライマックスだと思っていたエピソードがえらく早くに来てびっくりした。
後半は知らないエピソード。
どこに着地するのかはらはらしながら観た。
でラストだけど、ちょっと腑に落ちなかった。
映像はこれ以上ないくらいのハッピーな絵なのだけど、これってハッピーエンド?
そんなわけないよね?
土屋アンナのきよ葉はすごくはまっていたけど、個人的には少女時代のきよ葉を演じた小池彩夢ちゃんも要チェック。

卒業式

今日は卒業式。
ストーリーマンガコースとしては4回目の卒業式だ。
女の子たちの大半は袴姿。
韓国の留学生には韓国式の正装をしてきた子もいる。
色鮮やかだ。
女の子の一部と男子はだいたい黒のスーツ。
こっちはこっちでなかな決まっていた。
うっかりカメラを忘れてしまったのが残念。

何度卒業式をやっても、当たり前にいた学生がその春から校舎にいなくなるということが、すぐには実感できない。
なんだか明日も明後日も普通に会えそうな気がする。
でもみんなこれからは大学の外に出て(一部残る人もいるが)、それぞれのフィールドでがんばっていくことになるんだ、ということを少しずつ少しずつ自分に納得させる。
そして少し変わったみんなとまた会えるのを楽しみにしている。

4月からはまた新しい学生がどっと来て、てんやわんやの日々が始まる。

同窓会

高校1年のときの担任の先生が退職されるというので、当時の1年3組メンバーの同窓会をかねて、先生の慰労会を開いた。
普通同窓会というのは3年の時のクラスでするものだと思うけど、この学年は特別仲がよかったし、先生も慕われていた。
それで先生を囲んだ同窓会を何回もしているのだ。
それでも今回は久しぶり。
もうあれから30年近く経っているんだなあ。
びっくりだ。
それでもみんな案外変わっていないものである。
びっくりするのはみんな高校生のときのことをすごくよく覚えていることで、僕なんかさっぱりである。
1年の時の席順を再現しようとしたりしていたんだけど、なんでそんなことまで覚えてるの。
僕自身はあんまり青春青春した高校生活を送っていなかったんで、そのせいかもしれないけど、高校時代をきらきらした時代として覚えているみんながちょっと羨ましかったり。

先生はちょっと身体を壊していて、今度手術を受けるそうだけど、声はあいかわらずパワフル。
まだまだ若いんだから元気でいてほしい。
近所なのに不義理していてごめんなさい。
今度実駒連れていきます。

鉄コン二回目

「鉄コン筋クリート」を観にいく。
去年の年末に行って、今回が二度目。
その間に原作も読み返した。
二度見ても面白い。
というか二度目の方が面白かった。
ディテールを見ているだけでわくわくしてくる。
二度見てもあのディテールは全部は見きれない。
ものすごい労力とイマジネーションの産物。
登場人物はどのキャラクターも愛情を持って描かれている。
何度も観かえしたくなる作品。
DVD買おうかな。

パプリカ

滋賀会館シネマホールで見逃していた「パプリカ」をやっていたので観にいく。
筒井康隆原作、今敏監督作品。
テーマは「夢」。
夢をテーマにしたアニメーションといえば「不思議の国のアリス」や「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」といった傑作がある。
「パプリカ」の中にも主人公のパプリカがティンカーベルやピノキオの姿で登場するところがあって、確かに物量的に圧倒的な夢の描写には同じディズニーの「不思議の国のアリス」を思わせるところがある。
夢の中、という設定だと、何をやっても許される。
何をやっても許されるだけに作家の想像力が試される。
「パプリカ」は個々の映像のクオリティーもさることながら、カットバックの鮮やかさで夢の不条理感を巧みに表現している。
上手いなあ。
この映画は夢と映画のアナロジーが一つのテーマになっているけど、夢と映画の共通性に編集という機能がある。
切ってつなげることが夢と映画の特徴なのだ。
その意味でもこの映画は夢を扱って成功していると思う。
って言っても実はアニメーションの編集というのがどういうものなのかよく知らない。
昔から疑問だ。
実写映画は長大なフィルムからカットを選んでつなげるわけだから編集というものが重要なのは分かるんだけど、アニメーションの編集って何をする仕事なのかなあ。
絵コンテの段階で秒数まで決まっているわけでしょう?
知っている人教えてください。
あと、デブの人をこれだけきちんと描いたアニメーションというのをあまり知らない。
たいへん暑苦しい。
でも声は古谷徹。

ソラネコ

<a href="http://www.tanoshiya.com/soraneko/" target="_blank">ソラネコ</a>のライブに行く。
ソラネコは関西を中心に活躍しているインディーズのバンドなのだけど、僕は好きでちょくちょく聴きに行く。
今回はニューアルバム「ちょっぴりさま」のお披露目ライブなので大阪まで行ったのだ。
ライブのタイトルは「たっぷりさま」。
今回のアルバムはイラストレーターの山口マオさんとのコラボで、ライブもマオさんとのコラボ。
ライブをやっている間、横でそのライブのイメージで山口マオさんが絵を描いていく。
ソラネコの演奏も充実していたのだけど、その横でマオさんの絵が出来ていくのを見るのも楽しかった。
シャガールが絵を描いているところを横で見ているようなそんな感じ。
本当にその場で即興で絵を描いているらしく、あれこれ試行錯誤しながら絵が出来上がっていく。
ソラネコのライブの方もいつも以上にアドリブが多いみたいで、脱線しながらソラネコ独自のへんてこワールドを繰り広げていく。
すごく楽しいライブだった。
ライブ終了後にはマオさんが描いた絵と、マオさんが着ているマオさん手書きイラスト入りシャツのオークション。
連れの女性(実駒ではなく)がかなりねばったけど、残念ながら競り負け。
いや浮気じゃありませんよ。
ちなみにマオさんが描いた絵はソラネコのはたさとみさんがゲットしました。

太陽とピクシーズ

みなみ会館で「太陽」と「ピクシーズ ラウド・クァイエット・ラウド」を観る。

「太陽」はロシアの映画監督アレクサンドル・ソクーロフが、昭和天皇ヒロヒトを描いた作品。
ヒロヒト役をイッセー尾形が演じている。
ソクーロフはヒロヒトを断罪したり批判したりすることもなく、一人の人間として親しみを持って描いている。
ちょっと拍子抜けするくらい淡々とした描写が続く。
敗戦前後を描いているのだが、どこで戦争が終わったのか分からないくらい静かに物語が進む。
映画には侍従長らヒロヒトを取り巻く人間以外、一般の日本人は一切登場しない。
ただヒロヒトと言う人物を観察し描写することに徹している。
我々はヒロヒトという人をある種のフィルター越しに見ることにならされている。
この映画にはそのフィルターをはずす作用がある。
ところで、パンフレットを読むと、どうも僕はうとうとして一番印象的なシーンを見逃したらしい。
魚なんて見なかったぞ。
ちょっと悔しい。

「ピクシーズ ラウド・クァイアット・ラウド」はピクシーズというバンドの再結成ツアーを描くドキュメンタリー。
ピクシーズに特に思い入れがあるわけではなく、そもそも再結成以前に、解散したと言うことも知らなかった。
アルバムは1枚か2枚持っている。
ビジュアルも知らなかったので、なんとなくおしゃれな若者をイメージしていたのだが、そんなはずがない。
結成は20年も前だ。
おじさんおばさんのバンドである。
おじさんおばさんになるまでにそれぞれいろんな問題を抱えてきた。
みんなだいぶくたびれた感じだ。
そのくたびれ感が非常にリアルに共感できる、できてしまう。
お互い中年になったんだなあという感慨。

ところでみなみ会館の近くにはおいしいラーメン屋があって、今日もそこで食べるつもりだったのだが、いつの間にか居酒屋になっていた。
残念。

人が人を裁くこと

「それでもボクはやってない」を観る。
以下ネタばれ。
とりあえずオススメ。





それほど涙もろい方ではないのだけれど、映画を観て泣いたことは何度もある。
しかし映画を観て悔し泣きしたのは初めてだと思う。
痴漢冤罪の話は聞いていたし、この間「裁判官はなぜ誤るのか」(秋山賢三著、岩波新書)を読んだところだったので、予備知識はあった。
それでも映画を観ている間中憤りと悔しさがこみ上げて仕方なかった。
周防監督は今回、愚直なまでに正攻法で一つの痴漢冤罪事件の発生から判決までを丹念に描いている。
現実の裁判の中で「疑わしきは罰せず」というごく単純な原理が踏みにじられているのがよく分かる。
現行の裁判制度にはあきらかにひずんでいる。
有罪率99.9%という極端な数字もそれを物語っている。
では2009年から施行される裁判員制度、あるいは一部の人が押している陪審員制度ならよいのかというと僕にはそう思えない。
「国民の健全な社会常識」というものを僕はあまり信用していないからだ。
本来人が人を裁くことは非常に困難なことなのである。
そのことをまず意識しなくてはならない。
その上で裁判という制度がどうあるべきかを、国民全体が考えなくてはならない。
この映画はその問題提起のための映画であり、その意味でこの映画は成功している。
これほど腹の立つエンターテイメントを観たことがない。
プロフィール

おがわさとし

Author:おがわさとし
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