ゴダール祭

みなみ会館のオールナイト「ゴダール/ヌーヴェルヴァーグ・ナイト」を観にいった。
開始は昨日の夜の11時10分。
それから朝まで「男性・女性」「彼女について私が知っている二、三の事柄」「女は女である」「パリところどころ」の4本。
僕にとってゴダールを観にいくのはなんとなく祭に行くのに近い感覚がある。
ましてそれがオールナイトなんだから、すごく祭気分だ。
小難しさではジャームッシュなんかよりずっと難しいんだけど、すごく生理的な快感があって、ちょっと麻薬的なところがある。
途中少々うとうともしたけど、朝までたっぷりゴダールに浸った。
でも観ている間はいいんだけど、翌日に残るね。
昼間はずっと寝てたんだけど、晩になってもだるさが残る。
観にきてたのはほとんど学生風の客ばっかりだから、やっぱ年なんかなあ、とは思った。
でもオールナイト好きだから、また観にいくとは思うけどね。
特にゴダールは一年に一回は観たい。
みなみ会館がゴダールの上映をずっと続けてくれるとうれしい。
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リミッツ・オブ・コントロール

京都シネマにジム・ジャームッシュの新作「リミッツ・オブ・コントロール」を観にいく。
以下ネタバレ。

不思議な映画だ。
主人公は「ナイト・オン・ザ・プラネット」のパリ編でタクシー・ドライバーをしていたイザック・ド・バンコレ。
彼は「自分こそ偉大だと思っている男を墓場に送れ」というそれだけの任務を与えられてスペインに赴く。
そこで次々にコードネームだけの仲間に会い、謎めいた会話をして次の場所に移動する。
有名俳優が多数出演するが、一人一人の出番は少なく、主人公と会話しては消えていく。
ジャームッシュ流のミニマリズムが発揮されていて、同じやりとりが何度も反復して使われる。
主人公は極度にストイックで、いつもエスプレッソを別々のコップで2杯注文する。
最後に主人公はビル・マーレー扮する「アメリカ人」を殺し、どうもそれで任務が完了したらしい。
しかし「自分こそ偉大だと思っている男」が「アメリカ人」というのはちょっと当たり前過ぎないか。
この映画には何度も鏡のモチーフが現れる。
任務が完了した後、合わせ鏡の中の無限の自己像を見るシーンもある。
それはなんとなく「自分こそ偉大だと思っている男」が主人公自身であることを示唆しているようにも見える。
少なくとも「アメリカ人」は自分の中の「アメリカ人」なのだろう。
主人公とは全く正反対の性格に見える「アメリカ人」は主人公の鏡像なのではないか。

なんてことをいろいろ考えながら観た。
タイトルの意味とか、最後に現れる「NO RIMITS NO CONTROL」の意味とか、これはどういう意味だろう、ということを常に考えさせられる。
ジャームッシュのオムニバス映画はあんまり何も考えなくても笑いながら観れるんだけど、長編はいささか小難しい。
一見不条理映画的だが、すごく計算されている感じも伝わってくる。
でも映画的なリズムは心地よく、映像は美しく、観ていて引き込まれる。
長編第2作の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を学生時代に観て以来、ジム・ジャームッシュはずっと気になる監督であり続けている。

小春日和

実駒のおばあちゃんのお見舞いに行く。
一月に脳出血で倒れて老人用の施設に入ったのだけど、今はだいぶ元気になっている。
おばあちゃんは石を集めるのが趣味で、部屋のあちこちに石が置いてある。
最近米寿のお祝いを京都市からもらった。
実駒の妹さんのYちゃんも来る。
Yちゃんのおなかには3人目の赤ちゃんがいる。
実駒とYちゃんは姉妹の会話。
おばあちゃんが昔と変わらない、と言う。
暖かないい一日だった。

ナイト・オン・ザ・プラネット

なんだか変に疲れた一日。
帰って「ナイト・オン・ザ・プラネット」のDVDを観る。
ジム・ジャームッシュの1991年作品。
宇宙に浮かぶ地球(模型)の映像にトム・ウェイツのだみ声がかぶる。
「ナイト・オン・ザ・プラネット」はロサンジェルス、ニュー・ヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの都市の深夜タクシーを題材にしたオムニバス。
都市の映像以外はだいたいタクシーの中の運転手と客の会話だけで構成された変わった作品。
ジャームッシュはこういうの撮るとむちゃくちゃ上手い。
後の「コーヒー&シガレット」でもテーブルはさんで会話するだけのオムニバスですごく面白い映画を撮っていた。
ロサンジェルス編はドライバーがウィノナ・ライダーで、客がジーナ・ローランズ。
僕はこの映画のウィノナが一番好き。
口が汚くて、男の子みたいなかっこして、煙草ふかして、めちゃキュート。
将来の夢が整備工、と言うのもいい。
他のエピソードもみんなよくて、おもしろうてやがて悲しき。
パリ編ではベアトリス・ダルが盲目の客を演じている。
盲目の美女と言えばチャップリンの「街の灯」の花売り娘なんか連想するけど、この映画のベアトリス・ダルはそういう健常者の勝手なイメージとはかけ離れたリアルで凄みのある盲人を表現している。
ヘルシンキ編のドライバーはアキ・カウリスマキの映画でおなじみのマッティ・ペロンパー。
彼の役名がミカで、3人の客の中で唯一名前の出てくるのがアキ。
これはミカ&アキのカウリスマキ兄弟に対する友情の印なんだろう。
ジャームッシュの市井の人に対する愛情がひしひしと伝わってくる映画。
こんな疲れた日には沁みる映画だった。

ミステリー・トレイン

今週金曜日にジム・ジャームッシュの新作「リミッツ・オブ・コントロール」を観にいこうと思っているので、ジャームッシュの復習。
今日は1989年の「ミステリー・トレイン」のDVDを観る。
工藤夕貴がかわいいなあ。
メンフィスを舞台にした3話構成のオムニバスで、同じ日に同じホテルに泊まった3組の客たちの話が描かれている。
3話が同時進行しているのではなく、1話終わるごとに時間が戻って同じ時間が繰り返される構成が面白い。
すごく作りこんでるのに、作り物っぽさがない。
どの話にもエルビス・プレスリーの話が出てきて、ラジオで「ブルー・ムーン」がかかる。
タイトルもエルビスの曲から。
3話とも主人公にアメリカ人以外の人がいて、1話目が工藤夕貴と永瀬正敏。
話というほどの話はないんだけど、やりとりの一つ一つがむちゃくちゃ面白い。
3話目のイギリス人は今は亡きジョー・ストラマー。
共演のスティーブ・ブシェーミも最高に可笑しい。
ホテルのフロントのスクリーミン・ジェイ・ホーキンスがまた絶品。
R&B聴かないんで、よく知らなかったんだけど、デイヴィッド・ボウイやアリス・クーパーにも影響与えた人なんだってね。
ドキュメンタリー出てるから観てみようかな。

明日は「ナイト・オン・ザ・プラネット」を観る予定。

モスラ

今日は世間では休日だけど、うちの大学は授業日数の確保のために授業日である。

帰ってからDeAGOSTINI東宝特撮映画DVDコレクション5「モスラ」を観る。
これもずいぶん久しぶり。
モスラの幼虫と言うと、僕は先に「モスラ対ゴジラ」と「三大怪獣 地球最大の決戦」で見ていたので、どちらかと言うとかわいい怪獣のイメージだった。
ところがこの映画のモスラの幼虫は「風の谷のナウシカ」の王蟲みたいな偉大な怪獣だったので、初めて大画面でこの映画を観たときは驚いたものだ。
いろいろ腑に落ちないところもある映画で、なぜ原水爆の実験場になっていたインファント島にジャングルや原住民が残っていたのかはきちんと説明されていないし(カビから取った赤い液体だけで水爆から身を守れるとは思えない)、どう考えても国家機密に関わるはずのインファント島調査隊でネルソンのような古美術ブローカーが実権を握っている理由も十分には説明されていない。
海を泳いでいたモスラの幼虫が突然山中のダムに現れるのも奇妙だ。
でもこの映画の幻想的なイメージは素晴らしく、折れ曲がった東京タワーにモスラが繭を作る有名なシーンは怪獣映画史に残る名シーンだと思う。
シュールレアリスムの絵画のようだ。
小美人という設定も秀逸。
主演がフランキー堺で、ちょっと喜劇的要素があるのもこの映画の特徴。
音楽がいつもの伊福部昭ではなく古関裕而だけど、この映画の雰囲気にはあっているように思う。
中村真一郎、福永武彦、堀田善衛という純文学の大家が書いた原作は「幻想文学」に採録されていたのでどこかにあるはずなんだけど、見つからない。
読み返したいんだけどな。
本、整理しないと。

ろじ式

維新派の公演「ろじ式」を観にいく。
普段は屋外に巨大セットを建てて公演することの多い維新派だが、今回は精華小劇場という小さなはこ。
わりとこじんまりとした作品なのかなあ、と思っていたら全然そんなことはなかった。
舞台は様々な動物の無数の骨格標本を立方体の木枠に入れたもので構成されていて、それがまず圧巻である。
その立方体を様々に組み替えながら舞台が進んでいく。
ストーリーといえるほどのものはない。
音楽にあわせ詩的な言葉が羅列されていくのだが、最初は古生物幻想と言う感じで始まり、それから唐突に卑近なイメージに変わったり、ちょっとコミカルなシーンになったり、越境的に様々なイメージが交錯する。
「路地」がテーマになっているが、その路地は地球的規模で様々な場所と時間を通り抜けていき、実にスケールが大きい。
それでいてどこか身近でノスタルジックな味わいがある。
維新派ならではの味わいである。
この劇団を見続けて17年になるが、いつも新鮮な感動がある。
これからもついていきます。

フランケンシュタイン2作

「フランケンシュタイン復活」と「フランケンシュタインの幽霊」のDVDを観る。
ユニバーサルのフランケンシュタイン・シリーズ第3作と第4作。
日本では最初の二作が有名で、他の作品は知られていないが、ユニバーサルはフランケンシュタイン・モンスターの登場する映画を8本作っている。
と言っても5作目以降は他のモンスターとの抱き合わせなので、純粋なフランケンシュタイン映画は4作目の「フランケンシュタインの幽霊」までになる。

「フランケンシュタイン復活」はフランケンシュタイン博士の息子が故郷に帰ってくるところから始まる。
父親の研究室の地下で怪物を発見するのだが、この怪物はベラ・ルゴシ演じるイゴールという男の手先になっている。
イゴールは死体泥棒の罪で一度絞首刑になりながら生き延びたという設定の男だが、フランケンシュタイン家との関係がいまいちよく分からない。
フランケンシュタイン博士の助手だったようでもあるが、一作目にも二作目にもそんなキャラクターは出てこない。
原作のイメージはこの作品ではきれいさっぱりなくなり、怪物もただの操り人形のようになってしまう。
カーロフがこの作品で怪物役を降りたのも無理からぬ話である。
しかし、この作品はイゴールや片腕が義手の警部と言ったキャラクターに工夫があり、それなりに楽しめる。
メル・ブルックスの「ヤング・フランケンシュタイン」はこの作品の設定をかなり取り入れている。

続く「フランケンシュタインの幽霊」もイゴールが重要な役で出てきていて、この2作はフランケンシュタイン/イゴール編といった趣だ。
この作品になると、相当無理があって、何がやりたかったのかよく分からない。
タイトルは、本当にフランケンシュタイン博士の幽霊が出てくるからで、タイトルに偽りはないけど、怖くも感動的でもない。
そもそも話のつじつまが合ってない。
怪物役は狼男役で有名なロン・チェイニー・Jr.だが、カーロフの怪物に比べたらただのでくのぼうにしか見えない。

二作観て思うのは、いかににジェームズ・ホエールという監督の想像力が優れていたかということだ。
ユニバーサルは最初の二作でフランケンシュタインを封印すべきだった。
でも駄作でも何でも、あれば観ちゃうのがホラーファンなんだよね。
こんなくだらない映画でも、やっぱり手元に置いておきたい。
そういう性なんだから仕方ないな。

フランケンシュタインの花嫁

「フランケンシュタインの花嫁」のDVDを観る。
続編が一作目より高い評価を得ることはめったにないが、その例外的作品。
怪物の孤独がよりいっそう克明に描かれ胸を打つ。
子どもの頃、「フランケンシュタイン」のジュブナイル版を読んで、怪物の孤独に涙したのを覚えている。
その頃の一番の愛読書は「フランケンシュタイン」と「宇宙戦争」だった。
映画版は原作の多くのエピソードを省いているのだが、この作品には一作目で描かれなかった、怪物と盲目の老人との友情や女の人造人間の創造といったエピソードが描かれている。
また、前作ではしゃべれなかった怪物がこの作品では片言ながらしゃべる。
(原作では怪物は驚異的な言語能力を有している。)
この作品はむしろ一作目以上に原作の精神を色濃く受け継いでいるように思う。

原作にない設定で興味深いのはプレトリウス博士というキャラクターの存在で、比較的原作のイメージに近い悩める青年科学者フランケンシュタインに対し、より悪魔的なマッド・サイエンティストである。
プレトリウスが自分の作ったホムンクルスを見せるシーンはこの映画の見せ場の一つ。

そして、エルザ・ランチェスター演じる「花嫁」。
出番は少ないが、強烈な印象を残す。
あの印象的な髪型は「ロッキー・ホラー・ショー」でもパロってましたね。
スティングがフランケンシュタイン博士を、ジェニファー・ビールスが「花嫁」を演じた「ブライド」という映画があったけど、今DVD出てるのかなあと思って調べたら、ちょうど12月頭に出るそう。
思わず注文しちゃいました。

ラストで怪物がフランケンシュタインを逃がして、「生きろ」と言うんだけど、原作でも怪物は生みの親であるフランケンシュタインに愛と憎しみのアンビヴァレントな感情を持っている。
その辺も原作の精神が受け継がれていると感じる。

ちなみに監督のジェームズ・ホエールはカミング・アウトしたゲイである。
当時としては珍しかったのではないか。
迫害されるものの孤独をよく知っていた人だろう。
そのホエールを主人公に、ゲイであるビル・コンドン監督がやはりゲイであるイアン・マッケランを主演に撮った「ゴッド・アンド・モンスター」という映画があって、未見なのだが、DVDが出ているのでこれも注文してしまった。
最近DVD買いすぎだなあ。

明日は「フランケンシュタイン復活」を観る予定。

フランケンシュタイン

また寒くなったなあ。
やだなあ。

今週はちょっと必要もあってフランケンシュタイン特集。
今日は1931年のユニバーサル版「フランケンシュタイン」のDVDを観る。
ジェームズ・ホエール監督の不朽の名作。
原作の深遠さ、スケールの大きさこそないが、ボリス・カーロフの演技とジャック・ピアスのメイクが不滅のモンスター像を作り上げた。
今観ても面白いな。
フランケンシュタイン博士の研究室にしてもフランケンシュタイン男爵の屋敷にしても、セットがばかでかい。
特にフランケンシュタイン博士の研究室のセットはドイツ表現主義映画の影響も受けているようで、興味深い。
後の映画にも計り知れない影響を与えている。
「ゴジラ」の芹沢博士の研究室もこれの影響だよな。
有名な湖畔の少女とのシーン。
僕が始めてこの映画を観た時は、モンスターが少女を湖に投げ込むシーンがカットされたヴァージョンだったと思うけど、このモンスター・レガシーボックスのは、投げ込むシーンのあるヴァージョン。
この時代の映画で子供を殺すシーンがあるんだからその時代の人はさぞびっくりしたろう。
ホラーでも子供は殺さないというのは、かなり後の時代でもお約束だったものね。
そしてラストの風車小屋が燃える神話的イメージ。
見事な出来だと思う。

明日は「フランケンシュタインの花嫁」を観る予定。
プロフィール

おがわさとし

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