鉄男 THE BULLET MAN

京都シネマで塚本晋也監督作品「鉄男 THE BULLET MAN」を観る。
かつて四条大宮にあった映画館とも呼べない小さな上映室で「鉄男」を観たのは20年前のことだ。
衝撃的だった。
会場にいた塚本監督に感動したことを伝え、たまたま持っていた出来立ての自分の同人誌を渡したのは、今になってみれば甘酸っぱい思い出だ。

「鉄男 THE BULLET MAN」は「鉄男」とは独立した作品だが、当時の熱気を思い出させてくれる作品だった。
妙に分かりやすい昔のSF的な設定がなされているが、むしろ本質は映像と音の圧倒的なパワーとエロスにあって、身体に直接響いてくるヴァイブレーションは塚本監督ならでは。
俳優塚本晋也の怪物性も遺憾なく発揮されている。
7月には塚本監督の全監督作品の上映も行われるそうで、とても楽しみだ。
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第9地区

気を取り直して「第9地区」。
こちらもネタバレ。






正直始めはまたフェイク・ドキュメンタリーか、と思ったんだけど、フェイク・ドキュメンタリーの技法は部分的に使われているだけで、それはけっこう効果的だった。
アイディア自体が特に独創的だとは思わない。
SFの手法としてはむしろ古典的。
舞台が南アフリカ共和国で、「難民」という題材を扱っているので、なんとなく社会派っぽく見えるけど、実のところ社会派というほどの内容はない。
しかしこの映画の悪趣味さはなかなか買える。
主人公があんまりいい奴じゃないのがいい。
有名俳優を使っていないのが功を奏している。
けっこう楽しんで観た。
しかしせっかく異星人の難民という題材を扱いながら、後半はこれ、異星人の親子二人出てきたら成り立つ話じゃね?と思わせるところにスケールダウンするのが残念。
クライマックスで地球人と異星人の友情話というよくあるパターンに落とし込んでるところも残念。
設定的にはまだまだ面白くなった映画なのにな、と惜しい感じがした。

こんなのはアリスじゃない

なんと前の日記から1月半近く空いてしまった。
いくつかの理由が重なったんだけど、別に病気になったとかそういうことではないのでご心配なく。

で、今日は久しぶりに映画館に足を運んで映画を観た。
ティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」と「第9地区」の2本。
以下まず「アリス」についてネタバレ。
ていうかタイトルで好意的な評でないことは分かってしまうと思うけど。



この映画は「不思議の国のアリス」の映画化ではない。
大人になったアリスが再び「ワンダーランド」を訪れるという全くのオリジナルストーリーである。
この映画の中のアリスは「使命」だとか「正義」だとか「友情」だとかの「意味」にがんじがらめに緊縛されたアリスだ。
こんなのはアリスじゃない。
そもそも全ての意味の鎖を断ち切って軽やかに飛び回るのが「不思議の国のアリス」の魅力ではないか。
マッドハッターだってちっとも「マッド」じゃない。
ただのいい奴だ。
何より不愉快なのは奇形の赤の女王を単純に悪役にしているところ。
赤の女王の奇形は映画の中で何度も揶揄される。
ティム・バートンはかつて「シザーハンズ」や「バットマン・リターンズ」で正常から外れた奇形の哀しみをシンパシーをもって描いた作家ではなかったか。
いつからノーマルの手先になった。
ティム、僕は本当に腹を立てているんだよ。
隣の席の若者が無神経にバリボリ音を立ててポップコーンを食べていたことより、この映画に腹が立った。
こんなアリス映画もティム・バートン映画も観たくなかった。
残念だ。
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