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大映特撮ナイト 第6夜 「鉄の爪」

DeAGOSTINIの大映特撮映画DVDコレクションを公開年代順に観ていく一人上映会第6回は1951年の「鉄の爪」。監督の安達伸生は前々回の「透明人間現る」を撮った人。主演は前回の「氷柱の美女」で明智小五郎を演じた岡譲二。

怪作である。「狼男」と「ジキル博士とハイド氏」と「キングコング」を足して3で割って、そこに戦争の残り火とエロティシズムとキリスト教的教訓を散りばめた一言で言いにくい映画だ。

深夜の殺人事件。現場は人間業ではない力で荒らされており、被害者の情婦、雪絵はゴリラのような男だったと言う。その雪絵の内縁の夫だった田代恭介(岡譲二)は戦争で死んだと思われていたが、実は生きて日本に帰ってきていた。南洋でゴリラ(地理的に考えてオランウータンの間違いではないか)に噛まれ、それ以来強い刺激(酒とか)に会うと錯乱し獣人になってしまうのだ。

田代は普段は教会の戦争孤児院に勤める高潔な人物で、彼を慕う教会の娘、正代(関千恵子)が健気でかわいい。田代を利用しようとするいかさま興行師の灰田天心(斎藤達雄)がメフィストフェレス的な役割。雪絵は戦後キャバレーの踊り子になっていて、演じる園マリアは本職のストリッパーだったそう。

灰田天心は田代を見世物にしようとするんだけど、その前に演っていた演目が「透明美女現る」。もちろん2年前の「透明人間現る」を意識している。このシーンはストーリーの中では重要なエピソードというわけでもないんだけど、けっこう大事な見せ場。何かの放射線を浴びた女性の服が一つずつ透けていき、下着になった後全身が透明になる、という趣向。キャバレーのシーンとともにこの映画のエロ路線担当。

岡譲二は端正な二枚目なのだが、この二枚目がゴリラ男に変身するシーンは見どころ。変身したゴリラ男の暴れっぷりもなかなか堂に入っている。ところでこの映画の原案にクレジットされている中溝勝三とは岡譲二本人のことであるらしく、本人望んでのゴリラ男なのである。道理で生き生き演じている。
ラストはキングコングなのだが、その後のシーンが意外だった。ゲテモノ映画なんだか真面目なキリスト教映画なんだかよく分からないのがこの映画の醍醐味だろう。いや、人間の魂の二面性を描いた意外と真面目な映画なのかもしれん。エログロ映画だけど。

「大映戦慄篇 昭和二十年代探偵スリラー映画」という本をこの間入手したんだけど、この時代の大映は探偵スリラー映画を量産していて、この本で紹介されている映画だけでも41本ある。残念ながら大映特撮映画DVDコレクションに入っているのはこの「鉄の爪」が最後で(昭和三十年代の「透明人間と蠅男」という凄いタイトルのがあるが)、次回は打って変わって「西遊記」。その後は当分怪談映画が続く。
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