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陶酔!ヘルツォーク(その3)

さて、残る一本は「ノスフェラトゥ」である。
ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の、存在が確認されている中では最初の映画化作品であり、ドイツ表現主義映画の代表的な一本に数えられるムルナウの古典のリメイク。

この映画の情報が最初に入ってきたとき、とても意外な感じがしたのを覚えている。
ヘルツォークが自国の先達の古典作品に敬意を払うような殊勝な人だとは思っていなかったのだ。
でも、この映画の冒頭、いつものポポル・ヴーの音楽と共にミイラ(たぶん本物)の映像が流れた瞬間、ああ、やっぱりヘルツォークだ、と感じたのを、やはり鮮明に覚えている。
ドラキュラ伯爵をクラウス・キンスキー、ジョナサン・ハーカーをブルーノ・ガンツ、ルーシー・ハーカー(原作ではミナ・ハーカー)をイザベル・アジャーニが演じるという、いつになく豪華な布陣。
ついでに言うと、レンフィールドを演じるのはなんとローラン・トポール。
フランスのアニメーション映画「ファンタスティック・プラネット」の絵を描いた、本職はイラストレーターである。
さらについでに言うとスペインのトラッシュ映画の巨匠、ジェス・フランコ監督の「ドラキュラ伯爵」(僕らの世代にとっては「ドラキュラ・吸血のデアボリカ」のタイトルの方がなじみがあるけどね)でレンフィールドを演じたのはクラウス・キンスキーで、ドラキュラとレンフィールドを両方演じたのはたぶんキンスキーだけ。

話がそれた。
ヘルツォークはムルナウ版に準拠しつつ、トッド・ブラウニング監督の「魔人ドラキュラ」なんかも取り入れながらも、ヘルツォークならではの吸血鬼映画に仕上げている。
かなり楽しんで撮っているのが伝わってくる。
吸血鬼映画には点が甘いのだけど、僕の中では吸血鬼映画の中でもベストの部類に入る映画。
ドラキュラがルーシーの犠牲によって滅びるところまでは比較的ムルナウ版に忠実だけど、その後に付け加えられたエンディングが実にいい。
ネタバレになるので書けないけど、ブルーノ・ガンツが最高。
この映画ではかなり脇役っぽいヴァン・ヘルシングの末路もにやりとさせられる。
ヘルツォーク、ツボを押さえてます。

イザベル・アジャーニと吸血鬼の組み合わせも最強だけど、この映画の中で、重要な役目を果たすのが鼠たち。
吸血鬼とペストをからめるのはムルナウ版通りだけど、ヘルツォークは動物を撮らせると本当に上手い。
「ノスフェラトゥ」の鼠、「アギーレ」の猿、「小人の饗宴」の鶏、etc.
ヘルツォークの動物が魅力的なのは、ヘルツォークが動物を人間のように撮るからではなく、そもそもヘルツオークが人間を動物のように撮る監督だからだ。
そしてそのヘルツォークの被写体として、クラウス・キンスキーくらい適した俳優はいないのだ。
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