レイ・ハリーハウゼン追悼二本立て

本来水曜日はB級映画ナイトなのだが、レイ・ハリーハウゼンの訃報に接し、急遽ハリーハウゼン追悼二本立てに。
実は今日の1回生授業で、骨格標本をデッサンして、それを元に二体の骸骨が闘っている絵を描く、という課題をやった。
毎年恒例の課題だけど、今日は何か符合のように感じて不思議な気持ちになった。

今日観たのは、一本目が「世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す」、二本目が「シンドバッド7回目の航海」。

「世紀の謎・空飛ぶ円盤地球を襲撃す」は1956年のモノクロ映画。
侵略ものの古典といっていい作品。
原作はカート・シオドマク。
ハリーハウゼンが特撮をやっていたのは知っていたが、クリーチャーではなく円盤ではダイナメーションの魅力は出ないだろうと高を括っていた。
実際に観てみると、円盤が高速で回転しながら少しずつ角度を変えて飛んでいくところは同種の映画の空飛ぶ円盤とは全く違うリアリティーがある。
合成の巧みさもあり、円盤の巨大さが強調されていて実にファンタスティック。
他にも至るところにハリーハウゼンの細やかな工夫が垣間見られて見応えがある。
映画そのものも、重厚な演出、洗練された映像、押さえ気味のリアルな演技はB級映画のそれではない。
まあ、宇宙人には問答無用で攻撃して、はるかに科学的に優れている宇宙人に急ごしらえの新兵器で勝っちゃうあたりはB級とそれほど変らないんだけどね。
最近の映画でもまだそれやってるの観ると、なんだかなあと思う。
特典映像で、ジョー・ダンテがハリーハウゼンにインタビューした映像が入っていて、それもなかなかいい。

「シンドバッド7回目の航海」は文句なしに楽しい1958年の、こちらはテクニカラー作品。
モンスターが出てくるシーンは意外に少ないんだけど、映画としても十分楽しめる。
悪役の魔術師ソクラがいい味を出している。
こういう悪役が生き生きしている映画はいいね。
一つ目巨人サイクロプス、双頭の怪鳥ロック、火を吹くドラゴンといったモンスターが登場するシーンはもちろん素晴らしい。
今のCGを見慣れていると動きがぎこちなく見えるかもしれないけど、20センチそこそこの人形を一こま一こま動かして、それを本物の人間と組み合わせて違和感ない、というのは大変な技術。
ガイコツ剣士とシンドバッドの対決シーンは今見ても魔法のよう。
こちらのDVDにも特典映像がついていて、「キング・コング」の影響でクリーチャー作りを始めた少年ハリーハウゼンを両親が応援してくれた、というエピソードにぐっと来た。
この両親でなければ映像の魔術師レイ・ハリーハウゼンは生まれていなかったかもしれない。

今のように当たり前にファンタジー映画がある時代と違い、ハリーハウゼンの頃はジャンルとしてのファンタジー映画というのは存在しなかったと言ってもいい。
SF映画やホラー映画がかなり早い段階でジャンルを形成していたのに比べ、ファンタジー映画はジャンルと言えるほどの量がそもそも作られていなかった。
ハリーハウゼンはその中で一人ファンタジー映画を撮り続けた天才だった。
現代の映画に与えた影響は計り知れない。
ご冥福をお祈りします。
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