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エド・ウッド二本立て(その2)

エド・ウッド監督作品、二本目はもちろん「プラン9・フロム・アウター・スペース」である。
かの名高い「史上最低映画」である。
「2001年宇宙の旅」とこの映画を観ればSF映画の一番上と一番下は押さえたことになる。
上は押さえていたが、下がまだだった。
ここは一つ押さえておかなくては。

映画としての出来がどうこういう以前に、いろいろひどい。
WHDジャパンというところが制作して、有限会社フォワードというところが販売している500円DVDなのだけど、まず画質がひどい。
明らかに元はフィルムではない。
たぶんビデオ。
白黒なのだが、なんか変な緑っぽい色がついている。
しかもタイトルが入らない。
タイトルクレジットもエンディングクレジットもなし。
映画としての体裁すら整っていない。
この映画、向こうのテレビの深夜放送でよくかけられたそうなので、元はそのテレビ用の映像なのではないだろうか。
元のフィルムとか残っていないのだろうか。

映画としてもなかなか凄まじい。
「怪物の花嫁」なんてまだまだこの映画に比べたら立派なものだ。

エド・ウッドのこだわりのなさはここでも顕在だ。
何回か旅客機の操縦席が映るのだが、計器も窓も何にもないセットで、どう見ても操縦席に見えない。
操縦席に座っている二人も操縦しているように見えないし、後のカーテンを開けてスチュワーデスが入ってきても、その後に乗客がいると想像するのは至難の業だ。

ストーリーの破綻ぶりも見事だ。
そもそも宇宙人が地球侵略(?)のために死体を蘇らせる、というアイディアが馬鹿馬鹿しい。
蘇る死体が3体だけ、というのもしょぼい。
円盤のしょぼさはいうまでもない。
しかし昭和30年代生まれをなめてはいけない。
こんな円盤腐るほど見てきた我々だ。
それくらいでひるみはしないのだ。

蘇るのは魔女風のヴァンパイラ(という女優さん)、ベラ・ルゴシ、トー・ジョンソンの3人。
たった3人とは言え、この3人、濃い。
ヴァンパイラ、腰細っ。
ベラ・ルゴシは意味もなくドラキュラ・スタイル。
実はベラ・ルゴシはこの映画の撮影中に亡くなっていて、エド・ウッドは使えるフィルム使いまわしたり、他の役者(というか素人)に顔を隠してベラ・ルゴシのふりをさせたりしていたらしい。
トー・ジョンソンは最初威厳のある刑事役で出てきて、おおっと思ったけどすぐに死んで、ゾンビとして蘇る。
ちなみに字幕では「ゾンビ」となっているけど、実際にはゾンビという言葉は使っていない。
この3人がうろうろ歩き回るだけで、確かに絵としては見応えがある。
本当にうろうろすることしかしていないんだけど。

宇宙人側のしょぼさも筋金入りだ。
この時代のSF映画をそんなにたくさん観ているわけではないのだが、さすがに宇宙人が全くノーメークなのは珍しいんじゃないだろうか。
変な服は着ていて変な挨拶はするが、宇宙人には見えない。
セットと言えるほどのセットも出てこない。
学生映画のノリだ。
さっき「侵略」と書いたけど、本当は人類が宇宙を滅ぼすのを止めようとして来たらしい。
宇宙人の熱く長々しい演説が入るのだけど、説得力は皆無だ。
力の入れ所をここでも間違っている。

しかし、この映画に不滅の輝きを与えているのは、全てがしょぼいこの世界に、何かよく分からない鬼気迫る雰囲気が漂っていることだろう。
エド・ウッドはコメディを撮ろうとしてはいない。
「ロッキー・ホラー・ショー」みたいに、ホラー映画やSF映画に対するオマージュと言うのとも違う。
よく分からないけど、何かに憑かれたようにただならぬ決意だけで中身の全くない映画を作ってしまった。
そんな映画だ。
もっとつまらない粗大ゴミのような映画はたくさんある。
この映画が「史上最低」とまで言われるのは、この映画の一度観たら二度と忘れられないその強烈なインパクトにある。
どこがどうと言えないのだが、強いて言えば全てが間違っている。
そんな映画はそうないのである。
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