ロジャー・コーマン二本立て

7月17日は51歳の誕生日だったんだけど、B級ナイトは通常運転。
帝王ロジャー・コーマンのSF映画二本立て。
「恐怖の獣人」と「原子怪獣と裸女」。
B級界では有名なAIP作品。
以下ネタバレご免。

一本目は「恐怖の獣人」(1958年)。
原題は「TEENAGE CAVE MAN」。
ロジャー・コーマン自身は「PREHISTORIC WORLD」というタイトルにしたかったらしいが、プロデューサーのサミュエル・アーコフに勝手にタイトルを変えられて、コーマンはご不満だったらしい。
まあ、よくある話だ。
原始時代を舞台にした作品で、確かにみんな原始人風の服を着ているが、よく見るとけっこう小ぎれい。
髪もきちんとセットしてるし、ひげはきれいに剃ってあるか、延ばしていてもきれいに刈り込んである。
ぜんぜん原始人に見えない。
こういうのを見ると「恐竜100万年」はよく出来ていたんだなと実感する。
掟に縛られた一族と、その掟に疑問を抱く若者、というのもよくある図式で、あまりぱっとしない。
川向こうの禁断の土地には例によって恐竜がいるのだが、ストップモーション・アニメーションではない。
ブロントサウルスらしきものはたぶん模型、ティラノサウルス風のは着ぐるみだろうか?
いずれにしても、チラッと出てくるだけ。
背中に作り物の背びれをつけたワニとオオトカゲの対決シーンは一番の見せ場。
ワニが本気出している。
ワニは獲物を食いちぎる時に身体をスクリューのように回すのだが、それをオオトカゲ相手にやっている。
たぶん今やったら動物保護団体からクレームが出るレベル。

クライマックスまではなんか物足りんなあ、と思っていたのだが、ラストにどんでん返しがある。
SFだったのかー、とそこで分かる。
いろいろもやもやした感じだったものが一気にすっとする。
さすがにコーマン、手を抜いても最低限のサービスはしてくれます。

さて二本目は「原子怪獣と裸女」(1956年)。
まず邦題が素晴らしい。
B級ナイトは第1、第3火曜をモンスター映画、第2、第4水曜をポルノ映画、ということにしているのだけど、個人的にB級といえば怪獣か裸が出てくるべきだと思っているのだ。
この邦題は短い中に僕がB級映画に求めるものが凝縮して入っている。
ちなみに原題は「DAY THE WORLD ENDED」。

実は内容は原題の方がよく表している。
水爆戦により世界が滅びた後の物語。
裸は出てきません。
水着か下着のようなものを着て水浴するシーンは出てくるけどね。
まあ、予想の範囲。

水爆戦のあと、それを予想し、準備をしていた男の家に生き残りが集まってくる。
周りが放射能に汚染された世界で、地形的に放射能を免れたその家とその周辺を舞台に、7人の男女が織り成す濃密なドラマがこの映画の主軸。
地球滅亡後という大状況を扱っていながら、最初に水爆の記録映像が使われている以外、ほとんどセットにお金かけてない。
普通のホームドラマ撮るくらいのセットでこんなスケールの大きいSF映画を作ってしまうのはさすが。
はったりのかまし方が素晴らしい。
そしてこの7人がそれぞれに個性があり、極限的な状況であることもあって、ドラマとしても見応えがある。
7人のうち1人は放射能の影響で生肉だけを食べるようになる。
それが伏線になって、外の世界にいる放射能による突然変異で生まれた怪物の話へと持っていく辺りも手馴れたもの。
7人が1人ずつ減っていくサスペンスもいい感じで、B級ながら緊張感のある映画になっている。

怪物が汚染されていない雨によって倒されるラストに関してはいろんな意見があるだろう。
放射能を甘く見ている楽観的なラストと見ろことも出来る。
でも僕は、科学の罪が科学によっては贖えず、自然の力によって浄化される、というところを評価したい。
ゴジラがオキシジェン・デストロイヤーという科学の力によって倒されるのと好対照だ。

あと、最後に「THE END」ではなくて「THE BEGINNING」で終わる映画、ずっと昔テレビで見た記憶があるのだが、これが元だったのだろうか。
テレビで観た方の映画はたぶんカラーだったと思うんだけどな。
設定はけっこう似ていたような気がするんだけど。
あれ、なんだったのかなあ。
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