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「進撃の巨人」と「b」(その3)

これだけ類似点があると、諫山創さんが「b」を読んでいて、なおかつそれを意識しなかった、という可能性は低いと思われる。
作者というのは先行作品に対して敏感になるものだし、読んでいれば意識せざるを得ない。
意識の方向性に二つある。
先行作品との設定の重複をなるべく避ける方向と、むしろ先行作品の設定を積極的に取り入れる方向である。
これは先行作品に対する作者の評価とも関係がある。
仮に諫山さんが「b」を読んでいたとすれば、前者のケースは考えにくい。
だとすると、「b」は「進撃の巨人」のルーツの一つだった可能性が高い。
あるいは、想像をたくましくすれば、「進撃の巨人」が「b」の遠い未来における続編であったとしても、10巻までを読んだ範囲では大きく矛盾しない。
もちろん「b」と「進撃の巨人」の設定には大きな違いもあるのだが(例えば「b」ではうなじに特別な意味はない)、巨匠の他の作品のリメイクや映画化でもそれくらいの設定の変更は行われているのである。(巨匠の「a」のベテラン作家によるリメイクや「d」の映画化などを考えればそれは分かるだろう。)

こう言ったからといって、諫山さんのオリジナリティーを貶めることには決してならないだろう。
「b」の設定の持つポテンシャルを最大限に引き出して、全く違う世界を作り出していると言えるからだ。
最初に書いたように、無から生まれる作品はないのである。

では、諫山さんが「b」を読んでいない可能性はあるだろうか。
それはあるだろうと思う。
巨匠が亡くなった年に諫山さんはまだ2歳である。
「b」は僕の世代なら誰でも知っている作品だが、諫山さんの世代であればマンガ家だからといって必ず読んでいるはず、とまでは言えない作品だ。
読んでいないのに、設定が似通うというのはありえない話ではない。
巨匠自身がアイディアがかぶった経験について苦々しく語っている文章がある。
そしてメインのアイディアが似るときには不思議とサブのアイディアも似るものなのである。
僕自身の少ない経験でもそういうことはある。
しかし、だとすればそれはそれで、ほぼ半世紀を経たマンガのDNAの隔世遺伝は十分興味深いものではないだろうか。
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