伊豆の踊子

毎週火曜の邦画劇場。
今回は「吉永小百合 私のベスト20」第4弾「伊豆の踊子」(1963年日活映画)。
言わずと知れた川端康成原作の、6回映画化されたうちの4度目の映画化作品である。

と言っても実は原作読んでない。
映画化されたの観るのも実は初めて。
僕の世代だと山口百恵&三浦友和ヴァージョンが話題になったけど、観てない。
監督は吉永小百合版も山口百恵版も同じ西河克己監督だそうだ。

最初モノクロで、大学の講義の様子が映される。
あれ?モノクロ映画だっけ?
講義をしているのは宇野重吉。
この宇野重吉の教え子が、浜田光夫で、浜田演じる学生が結婚する予定だと言う現代っ子(当時の)のダンサーを吉永小百合が演じている。
その二人を見つめる宇野重吉の大学教授の回想、という形で時代は大正時代に。
ここから一転してカラーになる。
あ、そういう作りなのか。
「オズの魔法使」形式だな。

若き日の宇野重吉が高橋英樹、というのは無理がある気もするが、高橋英樹、さすがに若い。男前。
最初に現代っ子のルミを演じた吉永小百合が二役で旅芸人の踊子、薫を演じているわけだが、このコントラストが上手い。
日本髪の吉永小百合が清楚で可愛らしい。

で、学生の高橋英樹と踊子の吉永小百合の淡い恋愛が軸になって話が進むわけだけど、この映画は旅芸人や娼婦と言った当時の底辺の人たちを意外にリアルに描いている。
最初に訪れる村の入り口に「乞食と旅芸人入るべからず」という立て札が立っていて、当時の旅芸人が置かれていた社会的背景を端的に表している。
娼婦のエピソードは本筋とはあまり関係ないのだけど、病気で死んでいく娼婦お清を十朱幸代が、その先輩格の娼婦お咲を南田洋子が演じていて、強い印象を残す。
薫の兄の子供が生まれてすぐ旅の途中で亡くなったエピソードなどもあり、全編に死の匂いがまとわっているのも意外だった。
性にまつわる部分もわりとはっきり描いている。
なんかもっとアイドル映画的なの想像してました。
けっこう硬派な映画でした。

インテリ学生の高橋英樹と無学な旅の踊子吉永小百合、と言う組み合わせはちょうど先々週に観た「泥だらけの純情」とは真逆の関係になるわけだけど、外交官令嬢やっても旅の踊子やっても吉永小百合は凛とした可愛さがある。
高橋英樹に「活動に連れて行ってくださいね」と何度も頼む吉永小百合が可愛い。
あ、活動は活動写真ですよ。
映画のことですよ。
旅芸人の座長を浪花千栄子が演じていて、この人、この間観た小津安二郎の「彼岸花」でも山本富士子と京都弁で掛け合いやってたのがすごく印象的だったんだけど、この映画でも存在感発揮してました。

あと、大正時代の風物をかなりリアルに再現していて、そこも見所。
高橋英樹が泊まる宿の部屋の障子に曇ガラスがはめ込まれていてそこに千鳥となんかの草の模様が入っていたり、日本間なのに天井から下がっている電灯の笠がちょっとアールヌーヴォー風だったり、美術も見飽きない。
仁丹の看板とか、広告類も時代を感じさせる。
この時代が好きなので、その辺も十分堪能しました。

原作読んでないので、どの辺が映画の脚色なのか分からないけど、最初と最後のモノクロの宇野重吉は原作にないと実駒が言ってた。
まあそうだろうね。
やっぱ一度は読んどくべきかなあ。
何と言っても日本人初のノーベル文学賞受賞者だからなあ。

次回は石原裕次郎と共演した「若い人」。
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