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東宝特撮ナイト第1夜(その2)

「ゴジラ」の後に観れば「透明人間」の方はだいぶ気楽に観れるだろうと高をくくっていた。
この映画は一人の透明人間の自殺から始まる。
その透明人間は二人しかいない透明特攻隊の生き残りで、姿のない存在として生きていくことに耐えられなくなって自殺したのだ。
透明特攻隊!
うわ、重い!
人間だけ透明ではあまり意味ないので、飛行機も透明だったのだろうか。
それとも透明人間が爆弾だけ持って敵の基地に忍び込んで特攻したのだろうか。
いずれにしてもなかなか秀逸な設定だ。
そして、重い。

もう一人の透明人間がまだ残っているということで街は不安に包まれ、その中で透明人間を名乗る男達による強盗事件が起きる。
しかし、本物の透明人間は他にいた。

途中半裸のダンサーが吊るされて鞭で打たれるシーンなんかもあって猟奇的な雰囲気も醸し出しているけど、透明人間として生きていかざるをえない男の悲哀がこの映画のキートーン。
監督の小田基義は「ゴジラの逆襲」の監督もやった人で、本多猪四郎監督のようなスケール感はないが、庶民の生活感を描くのが上手い。
この映画でもその持ち味が生きている。
後に「ガス人間第一号」でガス人間を演じる土屋嘉男が真相に迫る新聞記者を演じているのも興味深い。

ラストで強盗団の首領である高田稔が一人で透明人間と戦う熱演ぶりが楽しい。
円谷英二の特殊撮影も随所で面白い絵を見せてくれている。
あと、盲目の少女と透明人間が二人きりで話すシーンがあるんだけど、いや、盲目の少女相手とは言え、全裸で少女と二人きりはどうなの、と思った僕は心が汚れている。

この映画の中で老科学者が透明特攻隊について説明する下りは、山根博士の古生物学よりは説得力がある。
まあ、透明人間の科学的説明なんてそう簡単に出来っこないわけだけど、それなりに調べた節がある。
サイクロトロンの実験中に透明化光線が発見されたことになっているのだけど、サイクロトロンというのは中性子の加速器で、戦時中の日本に確かにあった。
元々素粒子物理学の実験に使うものなので、なんとか光線が発見される場としてはもっともらしい。
第2次世界大戦中、日本も独自に原爆開発の計画を進めていたのだが、そこでもサイクロトロンは重要な役割を果たしている。
詳しくは保坂正康著「日本の原爆」(新潮社)をお読みください。
読まれるべき本だと思う。
ちなみにそのサイクロトロン(四台あった)は敗戦時にGHQによって破壊され、東京湾や琵琶湖に沈められている。

さて、東宝特撮ナイト一回目は思いのほか戦争の影の濃い重い二本立てになった。
日本の特撮映画はずいぶん重いところから出発したのだ。
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