疑惑の影

今週は火曜、水曜、木曜とちょっと用事が続いてDVDが観れなかった。
金曜日に月極映画祭、ヒッチコック特集の二本目で「疑惑の影」を観る。
1943年作品。
以前一度テレビで観たことがある。

ミステリーとしては意外性が少なく、以前観たときは物足りない感じがしたが、ネタが分かった上で観るとそれなりに面白い。
主人公は自分のアメリカの平均的家族に物足りなさを感じている少女で、そこに彼女にとっての憧れの人である叔父がやってくる。
この叔父をジョセフ・コットンが演じている。
警察が叔父を調べていることが分かり、叔父に対する疑惑が徐々に深まっていく。

この、少女と叔父の関係性がこの映画の主眼だ。
少女も叔父も同じ「チャーリー」という名前なんだけど、最初は「双子」とまで言っていた関係性が壊れていき、最後の闘争に至る。
その間の心理的な揺れが見所の映画。
ビクトル・エリセの「エル・スール」にこの映画のポスターが使われている。
「エル・スール」は、尊敬していた父親の知られざる過去を知ることになる娘の話なので、ちょっと似ている。

この映画は、チャーリー(少女の方ね)の家族がすごく魅力的だ。
弟(叔父のチャーリー)を誇りに思っている母親、推理小説が好きな真面目な銀行員の父親、読書好きのませた次女、やんちゃな弟。
平均的なアメリカの家族をヒッチコックはノーマン・ロックウェルの絵みたいに魅力的に描いている。
特に次女アンはすごくいい。
ロリ的な意味でなく。
昔のマンガにはこういうキャラクターよく出てきたな。
メガネかけてこまっしゃくれたセリフ言う妹キャラ。
父親が推理小説友達と、いかにしてお互いを殺すかを議論しているのもヒッチコックらしいブラックユーモア。
家そのものもアメリカの平均的家族のものらしいけど、日本人から見たら豪邸にしか見えん。

ラストはちょっとあっけないけど、心理描写に優れた一編でした。
あ、この映画でもお母さんがケーキ作るときに卵を入れる「タイミング」を力説する下りがあります。
ヒッチコック映画の神髄はやっぱりタイミングだと思いました。


次回は「ロープ」。
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