スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

少女は自転車にのって

たまには新しい映画についても書くよ!

京都シネマで「少女は自転車にのって」を観た。
京都シネマに行くのが久しぶりだ。
以前は京都シネマとみなみ会館には毎月のように行っていたのだが。
いろいろ見逃してるなあ。

「少女は自転車にのる」はサウジアラビア初の女性監督ハイファ・アル=マンスール監督のデビュー作。
そもそもサウジアラビア映画なんて初めて聞く。
サウジアラビアはイスラム圏の中でもかなり保守的なことで知られ、映画館の設置が禁止されているのだ。
しかも女性の地位が非常に低く、人前では顔も出せないし、車の免許も取れない。
正直ちょっと怖い国、という印象だった。
その国に女性監督が現れたのである。
ちょっとした驚きだった。

映画はワジダという少女の自転車が欲しいというシンプルな願望を軸に、サウジアラビアの女性社会を描いている。
といってもいわゆる社会派という感じの映画ではなく、基本的に瑞々しくさわやかな青春映画である。
サウジアラビアの女性というと黒づくめの目しか見えない衣装のイメージしかなかったので、とても意外だったのだけど、ワジダは家の中ではジーンズにTシャツで、ラジカセ(僕の世代には懐かしい)で洋楽を聴いていたりする。
思っていた以上に僕らとあまり変わらない生活をしているのである。
ワジダと男の子の友達の関係もどこの国の子どもでもあるような関係だ。
その男の子が自転車を持っているので、ワジダも自転車が欲しいのである。
二人がいわゆる自殺テロリスト(あくまで西側の言い方だが)について冗談を言い合うところなんかはちょっとびっくりするけど、それもすごく子どもらしい言い方なのだ。

ワジダのお母さんは、夫が第2夫人を持とうとしていることに悩んでいる。
サウジアラビアでは4人まで妻が持てるらしい。
そういうところは日本とは全然違うわけだけど、かといってお母さんの悩みが想像しにくいかと言ったらそんなことは全くない。
お母さんはやや古い価値観の持ち主なのだけど、やっぱりどこにでもいる女の人に思えてくる。

ワジダの言っている学校は先生も含めて全員女性で、イスラム教教育なんかは目新しいけど、保守的な学校の中で女の子がこっそりペディキュアを塗ったりファッション誌を回し読みしたりしていて、そんなところはたぶん校則の厳しい日本の女子校と何ら変わらない。
校長先生はすごく厳しいのだけど、そのわりに胸元の開いた服を着ていたり、愛人がいるらしかったり、それなりに表裏を使い分けている。

ワジダのキャラクターはすごく魅力的だ。
生意気で負けず嫌いで頭が良くて女だって男と変わらないと信じている。
自転車を買うために内職したり賞金目当てにコーラン暗唱大会に出ることにしたり、たくましい。
時にはずるもする。

母親とワジダの関係もすごくいい。
父親と第2夫人の結婚式の花火をバックに、二人が心を通わすラスト近くのシーンは感動的。
そしてラストの自転車にのって疾走するワジダのなんと魅力的なことか。
涙がこぼれた。

アッバス・キアロスタミの映画を観ていなかったら、イランという国のイメージは全然違ったと思う。
それと同じように、この映画を観る前と観た後ではサウジアラビアという国のイメージは一変した。
それぞれの国にはそれぞれの文化があり、違いもある。
でもそこに暮らす庶民は案外違わない。
こういう映画が作られること自体、サウジアラビアという国は見た目の保守性に比べると意外に寛容な国なのだろう。
そして文化の違いはあれ、女性を抑圧する社会はいずれ変わっていくに違いない。
希望に満ちた、爽やかな風が吹いてくるような映画だった。

スポンサーサイト
プロフィール

おがわさとし

Author:おがわさとし
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。