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僕とフォークと中川五郎さん(その1)

一乗寺の「のん」という喫茶店で開かれた中川五郎さんのライブに行った。
狭い店内の一番前の席、手を伸ばせば届くところで中川五郎さんが歌っていたのである。
と言っても白状すれば僕は中川五郎さんのよいリスナーではない。
それでも行きつけの古本屋である萩書房に中川さんのライブのチラシが張ってあるのを見て、これは行かなくてはと思ったのだった。
それを説明しようと思うとずいぶん昔の話に遡らなくてはならない。
長い話だし、とても個人的な話なのだ。
中川五郎さんに興味のある人は(その1)は飛ばして、(その2)から読んでいただいてかまわない。

ひなは生まれて最初に見た動くものを親鳥だと思う、というのはコンラート・ローレンツがインプリンティングの例として報告したものだが、少々拡大解釈されている嫌いがある。
とは言え、確かに最初の出会いが後に大きな影響を及ぼすのは人間も同じである。
僕が音楽に音楽として関心を持った最初が「フォーク」だった。
最初に聞いたのはかまやつひろしの「我が良き友よ」だった。
それまで聞いていた歌謡曲とは違って聞こえた。
新鮮だった。
1975年、中学1年のときである。
それでフォークにはまって色々聞いたのかと言うとそう言うわけでもなく、まだオタクと言う言葉のなかった時代のオタクとして、古いアニメや特撮番組の主題歌を熱心に聞いていたりした。
友人で音楽に詳しいのは吉田拓郎や井上陽水を聞いていたし、同世代のもっととがった感性を持った連中はその頃イギリスとアメリカで生まれたパンクを聞いていたはずだ。
ちなみに「我が良き友よ」が吉田拓郎の曲であることはだいぶ後になって知った。

高校時代は何となくフォークを聞いていたのだけど、その頃聞いていたのは四畳半フォークからニューミュージッックに変わる当たりで、反戦フォークとかプロテストソングとかいうのは別世界の話だった。
恥を忍んでその頃好きだった曲をランダムにいくつか挙げてみる。

ガロ「学生街の喫茶店」
ふきのとう「風来坊」「雨降り道玄坂」
グレープ「無縁坂」
かぐや姫「神田川」
イルカ「なごり雪」
風「22才の別れ」
NSP「夕暮れ時はさびしそう」
オフコース「僕の贈りもの」
チューリップ「心の旅」「魔法の黄色い靴」

わあああああ、ベタだなあああああ!!!!!
恥ずかしいいいいいい!!!!!
でもこの辺が僕にとっての「70年代フォーク」だったのだ。
この恥ずかしさは他の世代の人には分からないかもしれない。
どの時代にも一時代前のものを馬鹿にしたり恥ずかしく思ったりすることはあると思うんだけど、80年代がいかに激烈に70年代を否定したかはその時代を体験していないと分からないと思う。
80年代には70年代的なものがとても恥ずかしかった。
その象徴がベルボトムだったり白いギターだったりした。
その中にフォークソングがあった。

80年代に僕は大学生になり、洋楽を聴くようになった。
その頃流行っていたブリティッシュ・ニューウェーブとそこから遡ってブリティッシュ・パンクと、やはりイギリス中心でプログレッシブ・ロックを聴いた。
フォークは僕の中で完全に封印された。
それは若気の過ちで恥ずかしく後ろめたいものだった。
今でいうところの黒歴史だった。

そのフォークにもう一度関心を持つようになったのは2012年に自分が50歳になったことが大きい。
自分が50歳になってみて、自分が生まれ育った時代と言うものに関心が向いた。
そろそろ聴けるかな、と思って去年、実駒が留守の間に、いくつか買い込んだ70年代フォークのCDをおそるおそるかけてみた。
そして、強烈な恥ずかしさとともに、それが自分の根っこにあることを否応なしに認めざるをえなかったのである。

それで初めて、フォークと言うものがどういう音楽なのか興味を持った。
ウィキの「日本のフォークシンガー」という項目を見ると僕が聴いていたフォークは「歌謡フォーク」というカテゴリーになっている。
そんな言葉知らなかった。
いずれにしても、60年代に始まったメッセージ性の強いフォークソングが、70年代に入ってメッセージ色が薄まってアイドル化したもので、たぶん古いフォークファンからすれば堕落したフォークだったんだと思う。
でもそれが僕にとっての、ひなが生まれて初めて見た動くもの、だったのである。
それは否定のしようもないものなのだ。
でもそれがどこから出てきたのかは知っておきたい、という気持ちが湧いた。
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