僕とフォークと中川五郎さん(その2)

さて、そこでやっと中川五郎さんの話だ。
実は中川五郎さんには以前一度お会いしたことがある。
精華大学のマンガプロデュースコースに特任教授で来られていた高取英先生が主催している月蝕歌劇団の公演を観にいった後、高取先生に誘われて吉祥寺の飲み屋に行った。
そこに中川五郎さんがおられたのだ。
映画監督の佐藤寿保さんもおられた。
その頃は実は中川五郎さんの曲をちゃんと聴いたことがなく、だいぶ失礼なことも言った記憶がある。
思い出すだに恥ずかしい。

ずっと気になっていたのだけど、なんとなく聴きそびれていたのを、去年自分の中のフォークリバイバルの中で「六文銭/中川五郎」というCDを買った。
六文銭というのは小室等さんがやっていたバンドで、後半が中川五郎さんのアルバムになっている。
それで初めて中川五郎さんの音楽をちゃんと聴いた。
あまりにストレートな歌詞に最初は戸惑ったが、次第に引き込まれた。
2曲目(中川五郎さんの分の)の「主婦のブルース」も印象的だったが、5曲目の「自由についてのうた」から「コール・タトゥー」「殺し屋のブルース」、ラストの「腰まで泥まみれ」までの4曲の、強烈にメッセージ色の強い、しかもすごくかっこいい歌に打たれた。
言葉の力を信じている強さを感じた。

今日のライブでは最初に先日亡くなったピート・シーガーの話から始まった。
ピート・シーガーの曲を日本語に訳した「雪、雪」(表記が違うかも)という歌が最初の曲だった。
中川五郎さんは細かい花柄のシャツにブルージーンズ、スニーカー。
赤ワインをちびりちびり飲みながら、最初はバンジョー、後からはギター1本で歌った。
作家で僧侶の玄侑宗久さんの本から歌詞を取った「運命運命運命」という歌も印象的だった。
ボブ・ディランの話も出た。
中川五郎さんは「ボブ・ディラン全詩集」という本を出しているが今は絶版になっている。
しかし今度ソニーから出し直されるボブ・ディランの40枚のアルバムには中川五郎さんの訳が載るそうである。
都知事選の話が出てからの中川五郎さんの熱唱ぶりは凄まじいばかりだった。
怒りを歌に昇華させていた。
「六文銭/中川五郎」に入っていた「自由についてのうた」を歌ってくれたときはうれしかった。
「グーチョキパーの歌」の中では、五郎さんが大好きだというやなせたかしさんが作詞した「手のひらを太陽に」が中川五郎アレンジで挿入されていた。
いろいろなものが僕の中でつながっていく感じが面白かった。

ボブ・ディランがファースト・アルバムを出したのは1962年で、僕が生まれた年である。(ビートルズのファースト・シングルも同じ年。)
ピート・シーガーさんが初来日したのはその翌年。
僕の中では、ずーっと遠回りしてここに帰ってきた、という感じがした。
中川五郎さんの歌を聴き始めて間もない僕だけど、ここに来るのは何か必然的な感じがした。
僕にとって新しいけど懐かしい場所だった。

そんなわけで、中川五郎さんのライブにはまた行くと思う。
と言っても僕のことなので、きっと熱心におっかけをするとかそういうことじゃなくて、それでもずっと聴いていくんだろうな、と思った。
今の社会に疑問を感じている人は中川五郎さんを聴くといいよ。
ピート・シーガーも今度ちゃんと聴いてみよう。
日本のフォークもね。
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