アニメ祭(その1)

2月13日はアニメ祭だったのである。
まず京都シネマでイグナシオ・フェレーラス監督「しわ」を観て、その後元・立誠小学校特設シアターでなかむらたかし監督「寫眞館」と石田祐康監督「陽なたのアオシグレ」の二本立て、そして締めにMOVIX京都の高畑勲監督「かぐや姫の物語」を観た。
別にアニメーション作品をかためて観ようと思ったわけではなく、終映間際の作品を駆け込みで観たらたまたまこういう組み合わせになった。

「しわ」はパコ・ロカのコミック作品「皺」を原作としたアニメーション。
実は原作まだ読んでません。
読まねば。
「老い」というテーマに正面から向き合った作品。
舞台のほとんどは養護老人施設という異色作である。
主人公のエミリオは元銀行の支店長。
認知症の症状が出て、息子夫婦に連れられ養護老人施設に入る。
同室になったのはミゲルと言う老人で、お金にがめつい。
この二人の老人の関係を中心に、老人たちのドラマが描かれる。

僕自身の親世代がすでにこの世代であり、養護施設も身内がお世話になり雰囲気はそれなりに知っている。
僕にとっては他人事ではないテーマだ。
監督は僕よりちょうど10歳若い。
映画化に際しては特に取材等はしなかったと言うが、個性的な老人たちを愛情込めて描いている。
年をとっても人は悩んだり恐れたり反抗したりする。
そして年をとっても人は変わりうる。
エミリオとミゲルの奇妙な友情は胸を打つ。
じわっと来る映画。

「寫眞館」はなかむらたかしさんが監督・脚本・原画を一人で担当した短編作品。
日の丸寫眞館と言う丘の上の寫眞館を舞台に、明治・大正・昭和にかけて一人の女性と寫眞館の主人の交流を描く作品。
サイレントで、セリフが一切ない。
この女性が、生まれたときから愛想がなくて、いつもしかめ面をしている。
寫眞館の主人は小柄で気さくな人だ。
折々に寫眞館の主人は女性の肖像写真を撮る。
生まれてすぐ母に抱かれて、子供の頃人形を抱いて、嫁入り、子供の誕生、子供の出征。
震災や戦争を経て、女性は大事な人を何人も亡くす。
寫眞館そのものも古びていき、街は荒廃と再生を繰り返す。
その時間の流れが愛情込めて描かれる。
作画は、手描きのタッチを生かした味のある絵で、美術が素晴らしい。
小品ながら、完成度の高い味わい深い作品。

「陽なたのアオシグレ」は「フミコの告白」が話題になった精華大学アニメーションコース出身の石田祐康君の商業デビュー短編作品。
「君」とか言ってますが、実は会ったことはないのです。
でも在学中から話題の学生だったので、なんか勝手に誇らしく思ったり。
卒制の「rain town」は「フミコの告白」とは全く違う幻想的で叙情的な作品だった。
満を期して放つ商業デビュー作は、小学生の男の子の同級生の女の子に対する純な気持ちを描いて、「フミコの告白」の純粋さと疾走感をパワーアップした上に「rain town」の幻想性と叙情性をプラスしたような快作。
リアルな日常と少年の妄想が交互に現れて、画面に変化と広がりを与えている。
特に、スピッツの歌をバックに、転校していく女の子の後を追っていくクライマックスの疾走感は素晴らしい。
階段を駆け下りる(!)シーンから始まって、幻想と現実が交差しながらどんどん感情を盛り上げていく。
ストーリーはシンプルだけど、映像の快感は圧倒的だ。
あと、「フミコ」ファンのために言っておくと、もちろんパンチラもあるよ!
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