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パイレーツ・ロック

3月の月極映画祭は、フィリップ・シーモア・ホフマン追悼特集である。
フィリップ・シーモア・ホフマンは去る2月2日、46歳の若さで亡くなった。
「25時」で最初に意識して、「その土曜日、7時58分」で感心させられた。
それほど多く彼の作品を見ているわけではないが、決して二枚目ではない彼が卓越して演技力で活躍しているのを、なんとなくアメリカの西田敏行みたいに思っていた。
正直、そんなに若いとは思わなかった。

今日観たのは2009年の「パイレーツ・ロック」。
原題は「THE BOAT THAT ROCKED」。

1960年代イギリスで24時間ロックを流し続けていた海賊ラジオ局を舞台にした映画。
そういう海賊ラジオ局が本当にあったらしい。
映画の中では、北海に浮かぶ船にDJ達が共同生活をしていて、そこからイギリスにロックとポップスを送り続けている。
タバコとドラッグで高校を退学になった少年カールが何故かそこで一緒に暮らすことになる。
どう考えても更生に向いた場所ではない。
酒とドラッグとセックスとロックンロール。
兄貴分的なDJの「伯爵(ザ・カウント)」がフィリップ・シーモア・ホフマン。

物語は、その船の奇妙な共同生活と、海賊ラジオ局を取り締まろうとする当局との攻防を、60年代ポップスに乗せて軽やかに描いていく。
当局の人たちは思いっきり擬人化され、自由なDJたちと頭の固い当局と言う図式はいささか簡潔すぎてリアリティーには欠ける。
でもそんなことはいいのだ。
これは、「イージー・ライダー」と「海底二万里」と「タイタニック」をミキサーにかけて作ったような大人のメルヘンなのである。

主人公達は最初から最後まで船の上にいる。
そこは一種のユートピアだ。
まるでノーチラス号のように。
ノーチラス号ほど禁欲的ではないが。
共同生活をしているDJたちはみんな一癖二癖ある個性的なキャラクターで、観ているうちにみんな友達みたいな気になってくる。
カリスマDJもいれば冴えないオタクもいる。
一人だけ女性が乗っているが、彼女はレズビアンだ。

時々別の船で女たちがやってきて、乱痴気騒ぎになる。
ハーレム状態を楽しんでいるもいるし、あぶれるのもいる。
主人公のカールは美青年なのだけど、非モテ組に入れられている。
そこがまた共感を誘う、

子供の頃、海賊船での生活に憧れたという人は多いんじゃないかと思う。
僕も「海賊王子」という石森章太郎原作のアニメが好きだった。
オープニングに胸が躍った。
今の子なら「ワンピース」か。
本当の海賊の生活がそんなに楽しいわけはない。
でも海賊という言葉には憧れを呼び起こす何かがある。
そんな海賊ファンタジーの醍醐味も味わえる。
フィリップ・シーモア・ホフマンの伯爵ともてもてカリスマDJギャバンの対決は中盤の見せ場。
後半、意外なほど本格的な海洋ロマンめいてくる。

最初から最後までずっと流れているロックやポップスがいいのだが、残念ながらストーンズ2曲とプロコム・ハルムの「青い影」とあと何曲かしか分からなかった。
この時代の音楽に詳しい人ならもっと楽しめるんだろうな。
お酒でも飲みながら、のんびり楽しみたい映画。

フィリップ・シーモア・ホフマン追悼特集は全4回の予定。
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