アンドレアス・グルスキー展

昨日は展覧会をはしごしたのだ。

一つ目は国立国際美術館でやっている「アンドレアス・グルスキー展」。
写真作品である。
しかもほとんどは巨大な作品だ。
例えば、「ツール・ド・フランス」という作品がある。
有名な自転車レースが題材だが、自転車で走っている競技者はよく探さなければ見つからない。
画面上方に青い空があり、その下には山肌の黄土色と草の緑のコントラスト、そこに緑色の三角形がリズミカルに配置されている。針葉樹である。
その山肌にジグザグの線が引かれ、その線に沿って、小さな色点が置かれている。
道路と、その沿道の見物客である。
アクセントのように原色の車がいくつか配置されている。
よく探すと自転車にのった一群がいる。

グルスキーの写真は色とフォルムに注意してみると、一種の抽象画のように見える。
近くに寄ってよく観ると、細部までピントが合っているので、思いがけず生な人物たちが写っている。
そこに新鮮な驚きがある。

「香港、上海銀行」は夜の銀行を離れたところから写している。
無数の窓は全て明かりが灯っていて、よく見ると中で働いている人たちが写っている。
昔、大友克洋さんのある作品で、ビルの絵の窓一つ一つに部屋の内部が描いてあるのを見て驚愕した記憶があるが、その写真版である。

濃紺に白い絵の具でしっぽの付いた円のようなものを描いていた抽象画のように見える写真がある。
絵の具は厚塗りで、立体感がある。
何の写真かと思って、タイトルを見ると「南極」とある。
南極の航空写真なのである。

「北京」と言う写真は、ロシアアヴァンギャルドか何かのような、白と黒と赤の、直線によるコンポジションで。
何かの建物の内部らしいが、その建物の本来の役目は分からない。
「カタール」は抽象画として見てもとても美しい作品。
小品だが「スキポール空港」という作品も印象に残った。
ガラス張りの室内から空港を撮っているのだが、飛行機は画面の端にほんの少ししっぽの部分らしきものが写っているだけで、がらんとした何もない空間の冷たい美しさがある。
かと思うと「シカゴ商品取引所Ⅲ」はアクションペインティングのような激しさだ。(ポロックの絵を撮ったらしき写真もある。)
「無題Ⅰ」は、多分無地のグレーの絨毯を撮った写真、画面は全体としてはただグレーのグラデーションだけの作品。
絨毯の継ぎ目らしき細い線が微かに見える。
しかし、何となく不思議な精神性のようなものが感じられる。

日本が誇るカミオカンデの写真もある。
本展覧会のハイライトと言っていい美しい作品だ。

同時開催のコレクション展にはグルスキーの師匠であるベルント&ヒラ・ベッヒャーの写真があるのでお見逃しなく。
僕は彼らの給水塔の写真集を持っている。

また同時開催の郭徳俊展は、京都生まれの現代美術家の作品展。
「TIME」などのアメリカの大統領とポートレイトと鏡に映った自分の顔を組み合わせた有名な写真作品をこの間京都市美術館で見たばかりだが、今回は主に60年代に描かれたドローイングとペインティング。
多分、フンデルトヴァッサーが好きな人は好き。
あと、ミロが好きな人も多分好き。
僕はかなり好きでした。


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