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東京展覧会ツアー

3月の25、26、27の三日間、実駒と東京に行って展覧会三昧の日々を送った。

まず、25日は世田谷文学館の「クラフト・エヴィング商會のおかしな展覧会 星を賣る店」。
夫婦二人のユニット、クラフト・エヴィング商會の展覧会だが、クラフト・エヴィング商會の棚卸し、というコンセプトで、箱がたくさん置かれていて、その中に小さな作品とキャプションが付いている。
作品そのものはありふれた電球だったり既製品だったりするのだが、キャプションを読むと、それがなにか魔法のようなものを帯びる。
もちろん凝った作りの作品もある。
その中に、ずっと二兎を追ってきた、というクラフト・エヴィング商會の哲学のようなものもさらっと表現されている。
稲垣足穂やジョゼフ・コーネルを連想させる作風だが、クラフト・エヴィング商會ならではの世界、というのが確かにある。
最後の部屋にクラフト・エヴィング商會が装丁をやった本がずらっと並んでいて、どれも欲しくなって困った。

夜は実駒の友人の陶芸家、有さんの作品を見にいき、実駒はくじらの置物とくらげのカフェオレボールを、僕はコーヒーカップとおちょこをゲット。

26日はヴィクトリア朝英国特集と言う感じで、森アーツセンターギャラリーの「ラファエル前派展」と三菱一号館美術館の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」をはしご。
ラファエル前派は高校時代にちょっとかぶれた。
ラファエル前派と唯美主義はあんまり区別してなかったんだけど、今回だいぶ全体の流れが整理できた。

ラファエル前派については色々評価があると思うのだが、個人的にはラファエル前派はタブロー絵画における物語絵画の最後の輝きだったと思っている。
私見だが、19世紀のヨーロッパ絵画は、物語絵画が軸足をタブロー絵画から印刷絵画に移した時代だと思う。
近代絵画は絵画から絵画ではないものを排除していき、真っ先に切られたのが「文学性」だったのである。
タブロー絵画から物語性が失われていく一方で、印刷絵画の方では物語性のあるものが好まれ、ギュスターヴ・ドレからアーサー・ラッカムを経て、現代のイラストレーションやマンガまで続いていく。
タブロー絵画ではラファエル前派以降にもギュスターヴ・モロー等の象徴派というのがあるけど、これは物語の具体性より象徴の抽象性が際立っていて、べたな物語絵画としてはやっぱりラファエル前派が最後なんじゃないかと思うのだ。
そんなわけで、ラファエル前派は現代のマンガともつながっていると思う。
実際、ヨーロッパのコミック・アーティストでラファエル前派の影響受けた人、けっこういるんじゃないかな。
日本の少女マンガ家にも影響を与えたのは「芸術新潮」のラファエル前派特集でも語られている通り。

唯美主義はそのラファエル前派から主題性を取り、ただ美しくあればいい、という方向性に進んだ絵画ということのよう。
フレデリック・レイトンやアルバート・ムーアなんかは本当にそんな感じだ。
美しいが思想がない。
それは確信犯的にないので、それはそれでいいわけである。
ジョージ・フレデリック・ワッツにはもう少し思想がある感じがする。
ホイッスラーはいろいろと面白い。
ラスキンに酷評された「ノクターン」もエッチングも楽しめた。
あと、三菱一号館美術館は初めて行ったけど、なかなか雰囲気のある美術館。
併設されているカフェもオシャレだったけど時間の関係でよれなくて残念。

27日は弥生美術館の「降臨!神業絵師 伊藤彦造という男 ペン一本で極めた挿絵道」。
タイトルが全てを語っている。
伊藤彦造先生、かっこいい!
今年は生賴範義展と伊藤彦造展で、戦前戦後を代表する出版美術の巨匠の展覧会を見れてよかった。
お隣の竹久夢二美術館の「夢二の子ども絵とすごろく展-大正~昭和初期の小さなワンダーランド-」はさっと見て、東京都美術館の「世紀の日本画」展に行くつもりだったのだが、このすごろく展が予想以上に面白かった。
鏑木清方とか川端龍子とかの巨匠の双六もあるし、樺島勝一や蕗谷虹児のもある。
もちろん竹久夢二のも。
どれも凝っていて、その時代を反映しているのが面白い。
図録とかないのが残念。
全部コピー欲しいくらい。
結局かなり時間かけて見たので、「世紀の日本画」は断念。

森アーツギャラリーミュージアムの隣ではアンディ・ウォーホル展もやってたんだけど、ラファエル前派と唯美主義にウォーホルが混じったら食あたりしそうなので、こちらも断念。
東京はいい展覧会いっぱいやってていいなあ。
全部見てたらキリがない感じだけど。
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