東宝特撮ナイト第5夜(「宇宙大戦争」と「電送人間」)

東宝特撮ナイト第5夜は1959年の「宇宙大戦争」と1960年の「電送人間」。

「宇宙大戦争」を以前観た時の感想は一言で言えば「地味な映画」、だったのだが、年代順に観るとこの映画の新しさがよく分かる。
1957年の「地球防衛軍」と比較すると、格段に洗練されリアリティーが増した。
今観て地味に見えるのも、当時としては可能なかぎりリアリティーを追求した結果だと分かる。
特に月への宇宙飛行の描写は丁寧で、この映画が作られたのがガガーリンの初の有人宇宙飛行(1961年)以前であることを考えると、相当リアルだと言っていいんじゃないだろうか。
当時の観客にとっては、僕らが「ゼロ・グラビティ」に感じるようなリアリティがあったのかもしれない。
怪獣が登場しないのも、この映画が基本的にリアル志向の映画であるためだろう。
まあ、例によって、絶対零度では重力がなくなる、なんてトンデモな解説は出てきますが。

外国人キャストを多用して「地球規模の危機」を描いているのもいい。
外国人もアメリカ人やヨーロッパ人だけではなく、インド人とかイラン人とかタイ人とかも出ていて、実にインターナショナル。
この映画は海外公開もされているので、その辺も意識しているのだろう。
「クレージー黄金作戦」を観ても思うのだが、今の日本人の方が「邦画に出るのは日本人」という固定観念に縛られてはいまいか。
どうも今の方が日本人は内向きになっている気がするなあ。

「電送人間」は監督が福田純。
本多猪四郎監督に比べるといかにも軽い。
脚本も今ひとつ練り切れていなくて、キーパーソンである仁木博士やヒロインの中条明子の立ち位置も曖昧さが残る。
スタートレックの転送装置と違って電送人間を送る電送装置は送る側にも送られる側にも装置が必要で、証拠を隠滅するためにいちいち高価な電送装置を燃やしたりしていて不経済なことこの上ない。
いろいろ突っ込みどころが多い作品だけど、表情を押さえた中丸忠雄の電送人間はなかなか不気味。
電送シーンの特撮も素晴らしい。
クライマックスのスケール感はさすが。

あと、この頃の東宝映画観ていつも気になるのがキャバレー文化という不思議な文化で、この映画の重要な舞台として「軍国キャバレーDAIHONEI」ってのが出てくる。
これ、当時似たようなのが本当にあったのかなあ。
ヤバすぎだろ、これ。

この映画の元ネタは海野十三の「電送美人」という作品らしいんだけど、この間古本の「海野十三全集」を勢いで買ってしまったので今度読んでみよう。
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