ランナウェイズ

ダコタ祭、ラストは2010年の「ランナウェイズ」。
この間観た「シャーロットのおくりもの」が2006年12月公開で、「ランナウェイズ」が1月公開だから実質3年しか経ってないのだけど、この間のダコタ・ファニングの変化は目をみはるものがある。
この映画は1970年代半ばにに一世を風靡したガールズ・バンドのはしりであるランナウェイズの伝記映画だ。
ダコタはボーカルのシェリー・カーリー役である。

ランナウェイズが流行った頃、僕は中学生で、音楽をあまりきちんと聴いたことはなかったんだけど、ボーカルが下着姿で歌う、というセンセーショナルな取り上げ方をした雑誌を見たことはある。
何しろ中学生なのでかなり興奮した。
それで、名前だけは覚えていた。
大人になってからちゃんとCDを買って聴いてみたら、エッジの効いたかっこいいロックで、単なるキワモノバンドではなかったことが分かって恥じ入った。
まあ中学生の考えることですから勘弁してやってください。

映画はシェリー・カーリーの自伝を元にしていて、ギターのジョーン・ジェットもプロデューサーに名を連ねているので、公式伝記映画といってもいい。
しかし、きれい事やノスタルジーで描いておらず、10代でロックビジネスに飲み込まれていった彼女らを、シェリー・カーリーとジョーン・ジェットの関係を中心にかなり痛々しい感じで描いている。
アルコール、ドラッグ、セックスといった部分も描いているし、ロック界のビジネス的な側面も描いている。
70年代半ばといえば、パンクロックが生まれた頃でもあり、その頃のロック界のかなりどろどろとした世界がリアルに再現されている。
ちなみに監督はフローリア・シジスモンティという女性監督で、これが長編映画デビュー。

ダコタの演じるシェリーは問題ありの家族なのだが、いちおうそれなりに裕福な家の子で、双子の姉がいる。
シェリーに関しては家族の問題を丁寧に描いている。
これは原作がシェリー・カーリーの自伝であるせいもあるだろう。
ダコタは持ち前の育ちの良さと演技力で、普通の女の子がロック界の寵児になっていく様を見事に演じている。
この頃ダコタはまだ15歳のはずだが、かなり思い切った演技をしている。
歌も実際自分で歌っている。
ジョーン・ジェットのクリステン・スチュワートもなり切っている。
ランナウェイズのドキュメンタリーも僕は持っているのだが、ジョーン・ジェットの再現率はかなり高い。
シェリーとジョーンのキスシーンなんかもあってそれがいやらしくなく綺麗に撮られている、

あと、プロデューサーのキム・フォーリーは、この映画のメインキャストの中では唯一の男だが(シェリーのアル中の父親も出てくるが)、非常にアクの強い人物として描かれている。
まさに70年代のロックビジネスを体現したようなエロくて金にいやしい男。
これもドキュメンタリーに出てくる本人とそっくり。

日本のシーンが多いのも観ていて面白かった。
そこそこちゃんと描いている。
シェリー・カーリーが例の下着姿で歌うのは日本公演が最初だったらしい。
そりゃ話題になるわな。
でも映画によると、シェリーのファンは女の子が多かったようだ。

映画の最後で、ジョーンとシェリーは別の道を行くことになる。
ジョーンは自分のバンドを率いてミュージシャンとして活躍し、シェリーは雑貨屋の店員として働いている。
そこでちょっとしたエピソードがあるのだが、それがなかなかいい。
色々と大変なこともあるのだが、後味は決して悪くなく、時代とともに疾走した彼女らをあくまで肯定的に描いている。
70年代ロックに興味がある人にはオススメ。
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