スキャナーズ

今年7月に亡くなったメークアップアーティスト、ディック・スミス追悼の3本目はデイヴィッド・クローネンバーグ監督の1981年作品「スキャナーズ」。
ディック・スミスのクレジットは「consultant for special make-up effects」なのでどこまでディック・スミス本人が手がけたのか分からないが、クライマックスの超能力合戦での特殊メイクは前年の「アルタード・ステーツ」によく似ており、ディック・スミスぽい。
「スキャナーズ」と言えば、「頭パンッ」のシーンが有名だがここはクリス・ウェイラスという人が担当したらしい。
観たのがずいぶん昔なので、もっとクライマックスに近いシーンのように錯覚していたが、かなり冒頭に近いシーンなんだな、これ。

物語はスキャナーと呼ばれる超能力者たちをめぐるホラーSFなのだが、随所に若きクローネンバーグの才気が感じられる。
精神的な力である超能力が身体と強く結びついた表現で描かれているのがいかにもクローネンバーグらしい。
後半でコンピューターを超能力で「スキャン」するという場面が出てきて、超能力を介して人間の精神と機械がシンクロするというアイディアがサイバーパンク的。
70年代的なざらついた映像を残しながら、80年代サイバーパンクを先取りしている。
「ブレードランナー」の公開と「AKIRA」の連載開始が1982年。
「スキャナーズ」はほぼ同時期で少しだけ先行している
同じ超能力を扱ったデ・パルマの「キャリー」(1976年)と比べると、ずっとケミカルでサイバーだ。

クライマックスの超能力者二人の対決シーンは派手なSFXを使っていないが、生理的な緊張感を伴う名シーン。
血管が浮き出し、顔がぼこぼこ変形し、血が吹き出す。
この生理的な次元で強く訴えてくるのがクローネンバーグの持ち味だが、それをディック・スミスの技術が支えている。
あと、役者がみんないい顔してるなあ。
レポック役のマイケル・アイアンサイドやルース博士役のパトリック・マグクーハンはもちろん、端役に至るまでいい顔の役者揃えている。
それと、スキャナーの一人で彫刻家のベンジャミン・ピアスの作品がなかなか魅力的。
悪夢的な映像に華を添えている。

僕が買ったのは続編の「スキャナーズ2」と「スキャナーズ3」も入ったボックスで、続編はクローネンバーグ監督作品ではないけど、近いうちに観たい。
クローネンバーグ特集もやりたいなあ。
ディック・スミス追悼はあと一作「永遠に美しく」を買ったので、今週中に観る予定。
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