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ガープの世界

毎月勝手にテーマを決めて映画のDVDを観る月極映画祭。
基本毎週月曜だけどその週によって変動あり。
高倉健、菅原文太と邦画の名優の訃報が続いているが、今月の月極映画祭は今年8月に亡くなったロビン・ウィリアムズの追悼特集。

今週観たのは1982年の「ガープの世界」。
監督は「明日に向かって撃て」や「スティング」のジョージ・ロイ・ヒルで、当時監督目当てで観に行った。
ジョン・アーヴィングの原作は未読。

第二次世界大戦中に看護婦が死ぬ間際の飛行兵に跨って生まれた子どもがガープ。
映画はそのガープの生涯を描く。
波打ち際で遊ぶ子ども時代のガープに母親のジェニーが「引き波(undertow)に気をつけて」と何度も注意するシーンがある。
大人になったガープは幼い息子に同じことを言う。
このセリフが映画の一つのテーマになっている。
辞書を見ると「undertow」には「潜在的な感情、無意識の心の動き」という意味もある。
人生には本人の知らないところで流れる「undertow」があって、時としてそれに人は足元をすくわれる。
それが引き起こす、滑稽さや悲劇を映画は優しく描き出す。
この人生の避けがたい残酷さを優しく包み込む描き方はジョージ・ロイ・ヒルならではのものだ。
昔観た時はこの「undertow」が実感できなかったと思う。
今はそれが少しくらいは分かるようになった。
人生の多くは自分のあずかり知らぬ「undertow」の力で決まっていて、それは時として辛い体験をもたらすが、幸福な時ももたらす。

母親役のグレン・クローズはこれが映画デビュー作だそうだが、時として主演のガープを食ってしまうくらいの存在感だ。
性転換した元フットボール選手のロバータを演じたジョン・リスゴーの存在感もそれに劣らない。
ロビン・ウィリアムズ演じるガープはそれに比べると、空想好きで作家としての才能に恵まれてはいるが、多くの人が共感できる普通の男だ。
30歳を少し過ぎたくらいのロビン・ウィリアムズが初々しさを感じさせる演技を見せている。

映画は多くのエピソードで構成されているが、それらは一見無関係なようで波の下で微妙につながっている。
脇役も一人一人映画の中で意味を持たされている。
それらが時として残酷でありながら心地よい映画空間を生み出している。

この映画の最初と最後にザ・ビートルズの「WHEN I'M SIXTY-FOUR」が使われている。
ロビン・ウィリアムズは亡くなった時63歳だった。
64才になる前にロビン・ウィリアムズが「unndertow」に取り返しの付かない形で足元をすくわれてしまったのは残念なことだった。

次回は「いまを生きる」の予定。
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