フィッシャー・キング

ロビン・ウィリアムズ追悼映画祭、3本目は「フィッシャー・キング」。
1991年のテリー・ギリアム監督作品。

当時「バンデットQ」、「未来世紀ブラジル」、「バロン」と観てきて、その次にこの映画が来た時はちょっと意外な感じがした。
テリー・ギリアムと言えばファンタジーかSFというイメージだったので。
しかしこの映画もテリー・ギリアムしか撮れない魔術的作品だと思う。
久しぶりに観て傑作だという思いを新たにした。
以下、いまさらだけどネタバレあります。



ジェフ・ブリッジス演じるラジオの人気DJジャックの不用意な発言をきっかけにあるリスナーが悲惨な事件を引き起こす。
ジャックは番組を降板、レンタルビデオ屋でバイトをしながらその店のオーナーであるアンのヒモのような暮らしをしている。
このレンタルビデオ屋の感じが懐かしい。
ジャックが浮浪者狩りの若者に襲われたとき(アメリカにもいるんだな、こういう若者)、ロビン・ウィリアムズ演じる不思議な浮浪者バリーに救われる。
バリーが実は事件で最愛の妻を失った元エリートであることを知ったジャックはバリーと関わっていく。
映画はジャックとバリーの友情と、それぞれの恋愛を軸に進んでいく。

というあらすじだと全然ファンタジー色なさそうだけど、そんなことはない。
この映画のタイトルのフィッシー・キングというのはなんでも聖杯伝説と関係のある名前で、聖杯伝説、よく知らないんだけど、その聖杯伝説がこの映画の背景にはある。
バリーは狂気と現実を行き来し、映像も現実と幻想を行き来する。
前作「バロン」で幻想の方に振れ切ったテリー・ギリアムが幻想と現実の関係を改めて深く考察した映画とも言える。
幻想はこの映画では現実の耐えがたい傷を癒やす力でもある。

この映画は恋愛映画でもある。
バリーが恋する相手は発達障害気味のリディアという女性。
演じているアマンダ・プラマーは「ガープの世界」でも出番は少ないが物語のキーパーソンであるエレンという女性を演じていた。
今回はロビン・ウィリアムズとがっつり組んで魅力的なキャラクターを作り上げている。
バリーが駅の雑踏の中でリディアを見つけるシーンの魔術的演出は映画史に残るレベル。
映画館で観た時も感動したのだが、改めて観ても素晴らしい。

久しぶりに観て、けっこうストーリーは覚えていたのだが、肝心のラストを覚えていなかった。
当時はお伽噺のようなハッピーエンドが今ひとつぴんと来なかったのだと思う。
今観ると、このお伽噺のようなエンディングのためにこの映画があるのだと思える。
人生の残酷さに対する映画という夢の復讐である。

この映画のロビン・ウィリアムズはバリーという多面的なキャラクターを魅力的にエネルギッシュに演じている。
この役はロビン・ウィリアムズ以外に考えられない。
狂気と純情、大胆さと繊細さ。
ロビン・ウィリアムズの振れ幅の大きさが堪能できる映画でもある。
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