大映特撮ナイト 第1夜 「かくて神風は吹く」

去年完結したDeAGOSTINIのDVDマガジン「大映特撮映画DVDコレクション」、実は一本も観ていなかった。全部揃ってから公開年度順に観ようと思ったのだ。今週から実行する。

誰も覚えていないとは思うが同じDeAGOATINIの「東宝特撮映画DVDコレクション」を年代順に観るというのもこのブログでやっていた。これは1965年の「大冒険」で止まっている。理由はつまらないことで、要するに次の「怪獣大戦争」と「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」を観ようと思って分けておいたら見失ってしまったのである。よくあるよくある。幸い去年の年末に奇跡的にその2本が無事発掘されたので、こちらも観ることが出来る。大映の方が年代的に追いついたら東宝と交互に観ようという算段。

と言っても大映の方が追いつくのはまだだいぶ先。東宝特撮映画DVDコレクションが1954年の「ゴジラ」から始まっているのに対して、大映特撮映画DVDコレクションは1944年の映画から始まっている。1965年の「大怪獣ガメラ」は37本目だ。しかもそこまでの映画、大半は聞いたこともない映画。果たして辿り着けるのか。

そんなこんなで大映特撮映画、一本目は「かくて神風は吹く」である。
1944年11月公開という情報とこのタイトルで察しのいい人ならどういう素性の映画かは分かるだろう。企画・情報局、後援・陸軍省、海軍省、軍事保護院というバリバリの国策映画である。しかしこれがなかなかすごい。大作である。元寇の時代を舞台に多彩な人物が登場する壮大な歴史絵巻だ。豪華なキャスト(片岡千恵蔵、市川右太衛門、嵐寛寿郎、坂東妻三郎)の重厚な演技、メリハリの利いた演出、豪華な美術・衣装、かなり劣化したフィルムでもそれと分かる流麗なカメラワーク(宮川一夫!)。よくこんなの戦時中に作ってたなあ。そしてこの映画が大映「特撮」映画に入っているのは、この映画の特撮を我らが円谷英二が担当しているからだ。主に元軍の船団のミニチュアワークと「神風」の撮影なのだが、これも立派なものである。ちなみに原作は当時大映の社長であった菊池寛。

それだけに痛々しい。この日本映画の総力を結集したような力作がすでに敗色の濃厚な時代の日本人に総力戦を促す映画であることは観れば分かるわけで、なかなかしんどい。しかし「この世界の片隅に」に見るように、戦時中の日本人の生活というのは決して戦争一色だったわけではない。この映画を一生懸命作った映画人たちがいて、この映画を観て勇気づけられた観客たちがいたのである。そういう日常があったのだ。そういうことも含めて一見の価値のある作品。
でも特撮映画はもっと気楽な方がいいな。個人的には。

次回は「虹男」。これ、タイトルだけでもかっこいいよね。水曜深夜更新予定。
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