大映特撮ナイト 第4夜 「透明人間現る」

大映特撮映画を公開年代順に観ていく一人上映会、第4回は1949年の「透明人間現る」。やっとザ・特撮映画という感じの映画になった。

舞台は神戸。化学者中里博士には瀬木と黒川という2人の愛弟子がいて、その2人は博士の長女真知子を愛している。2人はそれぞれ違う理論で物体を透明化する研究をしていいたのだが、実は博士はすでに透明薬を完成させいていた。それを知った自称実業家川辺は透明薬を悪用しようとする。

原作は高木彬光でプロットはさすがにかっちりしている。この映画の透明人間はH・G・ウェルズの小説を踏襲し包帯をぐるぐる巻きにした姿をしているのだが、包帯を巻いていれば普通の人間も透明人間に見えることを利用したトリックなんかも出て来る。単純と言えば単純なのだが、82分を飽きさせない。男装の麗人水の江瀧子など登場人物も多彩。

特撮は円谷英二。この時点で48歳と実はそんなに若くない。戦後公職追放の憂き目にあった後の復帰作でもあるそうだ。東宝でも「透明人間」を撮っているが、こちらは「ゴジラ」と同じ1954年の映画で、大映のこれの方が5年早い。1933年に米ユニヴァーサル社が「透明人間」を作っていて、それに触発された部分は大きいだろう。ユニヴァーサル社の映画ほどの派手さはないが、透明猫が部屋を歩きまわるシーンなんかきめが細かい。足跡がペタペタ着くシーンはコマ撮りなんだろうけど、カメラがかなりの速さで動いていて、これは面倒くさいはず。透明人間が包帯を解き服を脱いでいくシーンは全体の中でも大きな見せ場で力が入っている。透明人間がサイドカーを走らせるシーンもさすがの出来。しかし裸でバイク乗ってたら寒いだろうな。

オープニングのクレジットで透明人間の配役が「?」になっていてちょっと笑った。「月光仮面」よりだいぶ早い。でも透明人間って透明であることだけが取り柄なので、実はそんなに強くないんだよな。裸だし。透明であることを透明人間が利用しているシーンって意外と少なくって、透明であることにびっくりしている相手を恫喝している、というのが多くてそこは残念。透明人間がいることに気付かず、ヒロインの真知子が恋敵に告白するシーンのいたたまれなさが案外この映画の最大の見どころかもしれない。

次回は「氷柱の美女」。
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