ロマンポルノ・リブート(その2)

特に「牝猫たち」を「牝猫たちの夜」「(秘)色情めす市場」の続きで観ることが出来たのは面白い経験だった。タイトルからも分かるように「牝猫たち」は「牝猫たちの夜」を直接の下敷きにしている。風俗で働く3人の女を描く、というコンセプトは同じで、「牝猫たちの夜」のトルコ極楽が「牝猫たち」ではデリヘル極楽若奥様になっている。主人公の名前も同じ「まさこ」になっていてはっきりオマージュ的な側面がある。ついでに言うと「牝猫たち」には日活唯一の怪獣映画「大巨獣ガッパ」のガッパのソフビ人形が大事な小道具として使われていてそこも日活オマージュなのである。
正直言ってあまりごりごり社会派の作品だとつまらないかな、と思ったんだけど僕は「牝猫たち」はかなり面白かった。社会派的な道具立てはありながらも、それぞれに孤独を抱えた登場人物たちを脇役に至るまで愛情を込めて描いていて好感を持てた。主演の井端珠里さんも魅力的だった。「牝猫たちの夜」はトルコ嬢たちよりもゲイの誠くんの描き方が面白くもあり古臭くもあった。間に観た「(秘)色情めす市場」は文句なしの傑作だった。今回観た旧作ロマンポルノの中ではダントツでよかった。ここまで来るともうポルノだかなんだか分からないが。

もう一つ、はっきり対応関係があるのが「花芯の刺青 熟れた壺」と中田秀夫監督の「ホワイトリリー」。「花芯の刺青」の母娘関係を師弟関係に置き換えて、個々のエピソードもかなり使いまわしながら換骨奪胎している。と言ってもさすがに元ロマンポルノの助監督だった中田監督はロマンポルノの伝統に忠実で、一番ロマンポルノらしいロマンポルノ。ストーリーもけっこうベタながら緊張感があり引き込まれて観た。女性二人のセックスシーンを白百合の散らされた白い部屋のイメージで耽美な感じに撮っているのだけど、そう言えば昔のロマンポルノでひよこがいっぱいの部屋でセックスするのあったよなあ。と思ったら「映画芸術」のインタビューで中田監督も言及していた。小沼勝監督の「OL官能日記 あァ!私の中で」という映画だったらしい。ラストは思いがけず爽やかだった。
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