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死者をめぐる2本の映画

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」と「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」を観る。
実は2本とも2回目。

1968年の「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」から数えて5本目になるジョージ・A・ロメロのゾンビ映画最新作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」。
「ランド・オブ・ザ・デッド」までの4本はそれぞれ独立した映画ではあるけど、同じ時系列にあるシリーズ作品として観ることが可能だった。
今回の「ダイアリー」はそれとは趣が異なり、もう一度始めから死者たちの物語を始めようとする。
死人が生き返り、人を襲う。
「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」が描いた終末の始まりが、40年後の世界で再び始まる。
違いはメディアの進化。
インターネットでの情報のやりとりが当たり前になった21世紀のゾンビ誕生譚。
全編フェイク・ドキュメンタリーの手法で主人公たちが見たままの世界が展開する。
主人公たちがピッツバーグの学生で自主映画を撮っているのは若い頃のロメロ自身の姿が投影されているだろう。
アル中気味の教授には今のロメロの心境が投影されているに違いない。
今まで以上に生身のロメロが出ている作品だと思う。
前作「ランド・オブ・ザ・デッド」までの作品には、絶望の果てに希望を見るペシミスティックなオプティミストのまなざしがあった。
今回の「ダイアリー」はどうだろう。
ユーモアはある。
特にアーミッシュのサミュエルという人物が登場するエピソードのそれは顕著だ。
しかし、映画は、自分たちに救われる価値があるのか、という重い問いかけで終わる。
人間に対する深い不信感がそこにはある。
では、ロメロは本当に人間に絶望しているだろうか。
決してそうではないと思う。
老教授は自分の教え子である学生たちにシンパシーを感じている。
若者に託す希望を彼は失っていない。
世界は最悪だ。
でも君たちはそこで生き残れ。
ロメロの声が聞こえる。

「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」は異色のアニメ作家ブラザーズ・クエイの長編作品。
ほとんどは実写で、何箇所かにアニメーションが入る。
古い怪奇映画を思わせる映像。
そして音楽。
電気で死者を蘇らせる博士、孤島のアサイラム、幽閉された歌姫、オートマタの調律をまかされる調律師。
時代の先端を常に意識しているロメロとは正反対に、ブラザーズ・クエイは懐古主義的な自分たちの世界に固執し続ける。
それが潔くもある。
甘美でエロティックな幻想譚。
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