みやわき心太郎先生のこと

みやわき心太郎先生の訃報に接する。

みやわき先生の作品を初めて読んだのは、昔朝日ソノラマから出ていた「月刊マンガ少年」という雑誌に載った短編作品。
たまたま先日実家にあった「マンガ少年」を自宅に送ったところだったので、漁ってみると、1977年の5月号に「トリップ」、1978年の3月号に「手などつないで」という短編が載っていた。
やや観念的な「トリップ」よりシンプルな「手などつないで」が印象に残っている。
「手などつないで」は、たわいもないラブコメディなのだけど、この作品が印象に残っているのはみやわき先生の描く少年や少女の表情が実に魅了的だったからだ。
特に表情豊かな眉毛の描き方と、柔らかく肉感的な唇の描き方が独特で、一度見たら忘れられない個性だった。

その後話題になった問題作「レイプマン」は読んでいない。
2004年に出た「潮風のルフラン」(道出版株式会社)は1970年前後に描かれた作品を集めた本だが、甘酸っぱい青春ものの作家という僕の持っていたみやわき先生に対する印象を鮮やかに裏切る作品集だった。
一作目の「二等船舶」から衝撃的だった。
人間のエゴイズムの醜さをこれでもかというくらい描いた作品だった。
その他の作品も、人間の闇の部分を見据え、人間関係の(特に男女の)心理の綾を描いた野心的で実験的な作品群だった。

今年5月のコミティアのCOMを語るイベントにみやわき先生ご本人が来られていた。
ベレー帽をかぶった先生はとてもダンディーで、なるほどこの人があの作品を描かれたのかと納得した。
その後の懇親会で少しお話をさせていただき、売れ残りの拙作をお渡しした。
拙い僕の本を先生は喜んでくださり、こちらが感激した。
また元気なお姿を拝見できるものと思っていたので、本当に残念だ。
これからも先生の作品を大事に読ませていただきます。
ご冥福をお祈りします。
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