人が人を裁くこと

「それでもボクはやってない」を観る。
以下ネタばれ。
とりあえずオススメ。





それほど涙もろい方ではないのだけれど、映画を観て泣いたことは何度もある。
しかし映画を観て悔し泣きしたのは初めてだと思う。
痴漢冤罪の話は聞いていたし、この間「裁判官はなぜ誤るのか」(秋山賢三著、岩波新書)を読んだところだったので、予備知識はあった。
それでも映画を観ている間中憤りと悔しさがこみ上げて仕方なかった。
周防監督は今回、愚直なまでに正攻法で一つの痴漢冤罪事件の発生から判決までを丹念に描いている。
現実の裁判の中で「疑わしきは罰せず」というごく単純な原理が踏みにじられているのがよく分かる。
現行の裁判制度にはあきらかにひずんでいる。
有罪率99.9%という極端な数字もそれを物語っている。
では2009年から施行される裁判員制度、あるいは一部の人が押している陪審員制度ならよいのかというと僕にはそう思えない。
「国民の健全な社会常識」というものを僕はあまり信用していないからだ。
本来人が人を裁くことは非常に困難なことなのである。
そのことをまず意識しなくてはならない。
その上で裁判という制度がどうあるべきかを、国民全体が考えなくてはならない。
この映画はその問題提起のための映画であり、その意味でこの映画は成功している。
これほど腹の立つエンターテイメントを観たことがない。
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