どろろ

友人Yと「どろろ」を観に行く。
塩田明彦監督の作品は「害虫」と「カナリア」を観ていて、力のある監督だと思っていた。
その監督が「どろろ」を撮るというのでけっこう期待していたのである。
以下ネタばれ。





舞台が中世日本ではなく、一種の異世界ファンタジーになっている。
「どろろ」という実写でやるには、いささか無理がある作品を映画化するための方便だということは理解出来る。
特に寿海が百鬼丸に手足を与えていく場面は、マンガのように木や陶器で作った手足を与えるのではなく、フランケンシュタインものを強く意識した、マッドサイエンティスト風バイオテクノロジーの味付けがしてある。
今映画化するのなら、これくらいしないと説得力がないという判断だろう。
それも理解できる。
理解は出来るが、そのために原作の持つ土臭さのようなものが薄れたのは確かだ。
舞台については日本かもしれないし、全くの別世界なのかもしれない、というくらいの突き放し方でよかったんではないかと思う。
柴咲コウのどろろは意外に違和感がなかった。
むしろびわ法師のおっさんの頭に髪がふさふさ生えている方が気になった。

エピソードはどろろと百鬼丸の生い立ちと、鯖目のエピソードが使われているが、あとはオリジナルで、特にクライマックスの醍醐景光、多宝丸とのエピソードは大きく変えられている。
原作では景光との決着がわりとあいまいな感じのまま終わるのだが、映画ではそこはきちんと決着をつけざるをえない。
で、肝心のクライマックスなのだが、かなり甘口の仕上がりになってしまった。
百鬼丸の葛藤の描き込みが不十分だし、多宝丸の物分りがよすぎる。
いろいろ試行錯誤した結果だと言うのは観ていて分かるんだけど、なにか無理に大円団に持っていったという感じで、結果釈然としないものが残る幕切れになった。

「どろろ」の映画化というハードルの高い仕事に挑んで、かなり健闘した作品だとは思う。
しかし、原作の持つ暗い情念や怒りのようなものは薄れ、全体に甘口だ。
いいところもたくさんある映画なのでそれだけに、惜しい、という感じがする。
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